普段生活していて「?」と思うこと、その理由を考えてみたことはありますか?
本書は、社会派ブロガーである著者のちきりんさんが世界を旅した体験記であると同時に、その経験をもとに考えたことを記録した日記でもあります。
この本は冒頭、著者がフィリピンで体験したこんな話で始まります。
友人たちとレストランに行きごはんを一通り食べ終わった後、友人のうちの一人がデザートと紅茶を注文します。
すると「カップに入ったお湯」と「未開封のままのティーパック」の紅茶が運ばれてきました。しかもそのティーパックは高級メーカーのものでもなんでもなく、スーパーで普通に手に入りそうな代物です。
日本で一定レベル以上のカフェやレストランに行けば、紅茶はティーポット&リーフティーで提供されます。
ティーパックで提供されることももありますが、ラベルがついたまま、未開封の状態で提供されるのは、あまり見たことがありません。
この後、著者は「なぜこの国ではラベルがついたままのティーパックで提供するのか」その理由を自分のアタマで考えます。
著者がどんな風に考えたかは、ぜひ本書を読んでご確認を。みなさんもぜひ一度、ご自身で考えてみてください。
ここで著者のちきりんさんについて紹介しておきましょう。
ゆるキャラのようなお名前のちきりんさんは、日々の暮らしやニュースについて、自分のアタマで考えたことを、ご自身のブログ「Chikirinの日記」で公開しています。
そこに書かれていることは多少ぶっ飛んではいますが、オリジナリティがあり、なおかつ論理性と説得力のあるものです。
ちきりんさんのブログを読んでいると、「同じことを目にしていても、彼女のアタマで考えるとこんな結論になるのか」と感心させられるばかりです。
本書ではそんな著者の思考の経路を旅行記という形で垣間見ることができます。
海外生活をしていると、先に触れた紅茶のように「?」と思うことが至るところに転がっていると思います。
「そういうもんだ」と素直に受け入れられることもあれば、「いや、おかしいでしょ」と怒りの感情がフツフツと湧いてくることもあります。
そこを一歩踏み込んで「なんでだろう?こういうことかな?」と考えてみてはどうでしょうか。
それは正解かもしれないし、とんでもない方向に間違っていこともあるかもしれませんが、
ネットで調べて答えを知るのではなく、自分のアタマで考えてみることで違う世界が見えてくるのではないでしょうか。
Written by げんだちょふ(ロシア)