新型コロナの影響で日本行きの飛行機が全便一時運休となった2020年3月以降、実に約7ヶ月ぶりの10月1日より、ハワイアン航空がホノルル〜成田便を再開することになった。
週一往復のみ、ハワイ在住者で一時帰国が必要な人、貨物や郵便物など最低限の経済活動や生活に必要不可欠な渡航、輸送のニーズに応えるのが主な目的とはされてはいるが、ハワイへ行く航路がまた再開したというのは、やはりちょっとした朗報である。
両親が出会ったのがハワイ、初めての海外はハワイで、その後もハワイに何となくご縁がある私。やっぱりハワイが好きだ。機会があればいつでも行きたい。
ハワイの何が良いのかと聞かれたら答えるのが難しいが、あの風が好き、香りが好き、人や食べ物も大好きである。ハワイにいると、なんだか大きなものに守られているような神秘的な気分がする。
今は遠くヨーロッパに住んでいるのでなかなか行くことができないが、事あるごとに知人の顔を思い出しては想いを馳せている。
今回紹介する本は、ハワイに暮らすローカル15人に聞いた15つのハワイアンストーリー。
さまざまな分野で活動しながら、ハワイに生き、ハワイの文化を脈々とつないでいく、そんな15人に著者の山下マヌー氏がインタビューしてまとめたものである。
山下マヌー氏は旅行作家であり、コラムニスト。40年以上にわたってハワイに通うマヌーさんは、ライフスタイルそのものがハワイアンと言ってもよいだろう。
「マヌー」の名は、ハワイ語で鳥を意味する。鳥のように自由にハワイと日本を移動したいという想いが込められているに違いない。(そういう記述は見当たらず、想像であるが…)
この本に登場する人たちの職業は実に様々だ。
・ハワイ語協会主任
・FM100のDJ
・人気のハワイアンミュージックグールプ
・植物園学芸員
・シーライフパーク指導員
・ビショップ博物館学芸員
・ローカルモーション設立者
・大会受賞歴多数のフラ指導者
・ハワイの歴史を伝える
・海洋カメラマン
・元世界チャンピオンのサーファー
・ハワイアンジュエリー職人
・ホノルルマラソン運営メンバー
・三つ星レストランシェフ
・ホテルマネージャー
本当に色んな人が登場するが、彼らに共通するのは「ハワイに自分らしく生きているということ」。愛するハワイの文化を自ら継承していこうと、自分のできる方法で活動している。
そのことが、自分らしく生きるということにつながっている気がする。もしくは、自分らしく生きられるハワイに住み続けているのかもしれない。
ハワイに長く住む人たちは、ハワイがどんどん変わってしまっていると嘆く。私もそう感じる。
急速に開発が進み、独自の文化が失われつつある。ハワイ時間もどんどん早くなっている気がしてならない。このままハワイらしさが失われてしまうとしたら、とても悲しくてならない。
だからこそ、本書に登場する15人のハワイローカルたちのような人たちにハワイ文化を継承していってほしいと強く願うのである。
コロナで海外渡航がしにくい今、ハワイの文化やそれを継承する人の話を読んで、ハワイの風を感じてみてはいかがだろうか。次回ハワイに行った時にまた一味違うハワイの姿が見えてくるかもしれない。
山下マヌーさんは本書の他にも多数出版しているので、ぜひそちらもチェック!
Writen by 藤村ローズ(オランダ)