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イギリスで自動車のタイヤがパンク!ロードサービスを呼んで気付いたこと

2020年6月1日
伊藤結子 (イギリス)

自動車運転歴20年ではじめてのパンクを経験

その日、私は1人で車に乗って遠くのスーパーに買い出しに出かけていました。

このロックダウン中に朝昼晩の食事を作っていますが、食材の減りが早いんですよね。たんまり買い物をしすぎて、帰る時間が遅くなってしまったので家路を急いでいたのでした。

急に「ゴゴゴゴゴゴ」という音が聞こえ、カーステレオの音が聞こえなくなりました。最初はなにか大きな車が近づいてきたのかと思いました。だけど、なんだか車が傾いている気がする…。

まさかパンク?そういえばさっき細い道で対向車とすれ違う時に左のタイヤを縁石にぶつけてしまったかもしれない…。

パンクした事実をはじめは認められず、少し走行してしまいました(汗)安全運転で運転歴20年です。パンクの経験はありません。まさかパンクするなんて思ってもみなかったのです。

そのまま数分間走行してしまいましたが、やっぱり何かおかしいと思い、安全で充分広さのある路肩を見つけてそこに停車しました。

パンクをした時にやってはいけないことは二つあるそうです。

⚫︎そのまま走行しないこと
⚫︎刺さっているものを抜かない

タイヤのホイールにダメージを与えたり、時にはまっすぐ走行することも難しくなるそうなのです。パンクに気がついたら、すぐに安全な場所に停車されることをお勧めします。

 

イギリスでロードサービスを呼んでみたら…

イギリスでは車の保険の中にはロードサービスは含まれていないため、自分で契約する必要があります。いくつも会社があるのですが、よく利用されているのは、AARACの2社です。

私はAAと契約していました。AAの電話応対は、親切で好感が持てました。手元の契約番号と、停車している箇所を伝えると1時間後に担当者が到着するとのことでした。

実際に担当のお兄さんが来てくれたのは予定よりも早く、40分後くらいだったでしょうか。到着の10分前ほどに、もうすぐ現場に到着することを伝える携帯のメッセージがありました。しかも手違いで2台到着。

ここで問題が発生してしまいます。

車のタイヤがパンクしたら車載してあるスペアタイヤに交換してもらって完了のはずでしたが、私の乗っている車種にはスペアタイヤが載っていなかったのです。

最近は軽量化の為にそういう車種も多いそうです。そういえば車を購入する時にそんなことを言われていたような気がします。きちんと覚えていてタイヤを購入しておけばよかったのですが。

代わりにタイヤの修理キットなるものが入っていましたが、ひとりでは修理の仕方も分からないし、私がパンク後に走行してしまったせいでタイヤは激しく損傷していたので、このキットの出番はありませんでした。

結局新しいタイヤを購入するために、トラックに車を載せて修理店へ行くことになりました。AAのお兄さんがトラックを呼んでくれて、そこから1時間半待ちました。

その間、夕飯作りが間に合わないので家族のためにUber eatsを手配したり、車の中で本を読んだり、スーパーで買ってきた惣菜を食べたりしてそれなりに楽しく過ごしておりました(汗)

暗くなってからAAのトラックが到着しましたが、修理店はクローズしている時間帯だった為、ひとまず自宅まで車と私を届け、次の日の朝もう一度出直すことになったのでした。

次の日の朝、もう一度AAに電話して再びトラックに乗って最寄りの修理店に車を運び、やっとタイヤ交換をすることができました。

 

新たな気付き、エッセンシャルワーカーへの感謝

普段ならトラックの助手席に私も乗ってお喋りをしながら自宅まで送ってくださるそうですが、コロナウイルスへの対応の為、私はトラックの荷台に乗った車の運転席にシートベルトを締めて乗り込むことになりました。

パンクの体験も鮮烈でしたが、キラキラにライトアップされたテムズ川にかかる橋を、トラックの荷台に揺られながら眺めることになるなんて。なかなかできる体験ではありません。

新型コロナ禍の中、社会をまわしていくために働いてくださっているエッセンシャルワーカーと呼ばれる方には、とても感謝しています。

しかし私の想像力は乏しかったと思います。

医療従事者、配達を担っている物流関係の方、スーパーに関わって働いている方や交通機関の方、公務員の方々だけではなく、このように24時間体制で私の不注意で起こった車のパンクに対応してくださる人たちがいる。

たぶん、私の想像力が思い至らないけれど、目には見えない他のところで尽力してくださってる人たちはもっと沢山いらっしゃるのでしょう。

AAのお兄さんたちはマスクもしておらず、私もソーシャルディスタンスに気をつけるようにはしていましたが、トラックの荷台に車を積み込む際など、どうしても距離が近くなってしまう場面がありました。まさに、命がけの仕事でもあると思いました。

そんな中、どの人も優しく、鼻歌を歌っていたり、陽気に話しかけてくださったり楽しく仕事をしている様子が伝わってきました。もう感謝しかありません。何度もありがとうを言いました。

Written by 伊藤結子(イギリス)

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