そんな頃、ポルトガル語達人奥様にレストラン予約を電話でするよう頼まれました。
言いたいことを紙に書き出して、何度か練習して、勇気を振り絞って電話をかけました。無事に予約が完了し、ほっと胸を撫で下ろしましたが、心配で当日は早めに行って現地で予約を確かめたことは内緒です。
時々ジョセ先生がくれる地元のタウン誌に、週末のみオープンの農園レストラン「Sitio Bela Vila」が紹介されていました。
ブラジルの典型的な朝食メニューを提供するレストランです。パンや卵、ハム、ソーセージ、フルーツの他に、甘いお菓子も並びます。
ブラジルでは休みの日は長い時間をかけて、家族や親しい人とお喋りしながらお昼まで楽しむのが定番。
早速行ってみたくなりましたが、よく読むとメールでの予約が必要です。ここは頑張るしかない!と覚悟を決め、ポルトガル語でメールを送りました。
ブラジル人から見たら、子供の手紙みたいだったかもしれません。でも、ちゃんと用件が伝わり、無事レストランへ行くことができました。
しかも私は、その農園レストランへ行った初の日本人でした。この時、初めてここに「住んでいる」ということ実感しました。レッスンを始めて、7ヶ月が過ぎていました。
メール予約が成功して気を良くした私は、その後調子にのって「大人の遠足」と称し、15人乗りのバンとアテンダントをチャーターして、コーヒー農場や焼き物の町を訪ねたりしました。
このやり取りを通して知らなかったポルトガル語の単語を覚えましたし、定型文のようなものが分かり、「ひょっとして、現地就労もできちゃう?」なんて少し自信も沸いてきました(笑)
Festa junina(フェスタジュニナス、6月の祭)
そんな私に、ジョゼ先生は宿題で「書くこと」を頻繁にさせました。「どこかに出掛けた時に、感じたことを知ってる言葉で書きなさい」と。
ブラジルの伝統的冬のイベント「 Festa junina (6月の祭)」があるので、それに行って感想を書く」という宿題が出ました。
会場となった教会へ行ってみたら、日本人は誰一人おらず、どっぷりブラジル社会。でも、日頃感じにくかった普通のブラジル人のリアルを肌で感じることができました。
後日、感想文を提出したところ、なんと!教会のFacebookページに掲載されたのです。
「約一年前に日本から来て、カンピーナスに住む日本人女性は、こんな風に感じてる!」という扱いで、顔写真付きでした。知らないブラジル人から「いいね」がたくさん来て、嬉しかったです。
言葉だけでなく、文化を知ることも語学学習で大切です。
そんな中でも不安に思っていたことがありました。なんとか言いたいこと、書きたいことは伝えられても、ヒアリングがイマイチです。
日常的に接触の多い人が言ってることは分かっても、不特定多数、相手が複数になると何だか分からなくなります。ブラジル人ってやや早口なのに声は大きくないし。
会話を続かせるためには、一方的にこちらが言いたいことだけ言ってもダメ。むしろ相手の言ってることが理解できている方が大切と感じました。
やだ~これって、カウンセリングのセオリーと同じではないですか!聴けてなんぼ!です。
ヒアリングの教材にしたDVD
画面のスーパー頼りにテレビのニュースに耳をすませたり、ストーリーを知ってる映画のDVDを買ってきてポルトガル語吹き替えで聴いたり、英語で聴きつつポルトガル語字幕にしたり、それなりに努力はしましたが、相変わらず。
そんな時、YouTubeで「ヒアリングの極意は、シャドーイングだと!」と知りました。ポルトガル語の音声の後について、同じことを声を出して言ってみる。
同じ文章でいいので、何度も何度も同じことをブラジル人が言うように言えるまで言ってみる。
すると音声プログラムが自分の耳から脳内に残り、いつか同じイントネーションで話しているネイティブの音が聞き取れるようになるというのです。
そこで、オンラインでリスニングの練習を始めることにしました。
教材は、ブラジルの子供達に人気のアニメです。子供同士、親子、両親同士の会話、お医者さん、バスドライバーなど町の人々も出てきます。
耳を鍛えるために大きな声で口を動かし、筋トレみたいです。続けていれば、いつか必ず聞き取れるようになる。いつなのかは個人差があるけどと言われましたが、それ以来続けています。