フリッツ・ハンセンの大理石テーブルと木製のエクステンション
実のところ、私が欲しかったダイニングテーブルは別の有名メーカー、フリッツ・ハンセン(Fritz Hansen)にありました。
「PK54」と呼ばれる大きな円形テーブルで、大理石の天板を数色から選ぶことができます。
ロイヤルコペンハーゲン本店でのディスプレイで一目惚れしたテーブルは、木製のエクステンションを大理石を囲むように取り付けることで更にエレガントなテーブルに仕上がります。
しかし今の生活では少し使いにくいことと、重い大理石を支えるためのステンレス脚が気になることもあって今回は見送ることに。
ではなぜここに来たかというと、それは別の椅子を購入するためでした。フリッツ・ハンセンでは、ウェグナーデザインの椅子を1種類のみ制作しています。
こちらも中国明時代の家具に影響を受けたもので、名前もそのまま「キナストール(Kinastolen、中国の椅子)」と呼ばれています。調べたところ、日本でも「チャイナチェア」という名称でした。
Yチェアよりも安定感がある椅子はどうしても欲しかったそうで、夫の仕事用にチェリー材でのオーダー。10週間後に我が家がどうなっているのか、今からドキドキです。
フリッツ・ハンセンとチャイナチェアの黒バージョン
家具さえ買えばOK、とはいかないのが北欧デザインの奥深いところ。
Yチェアにもチャイナチェアにも、座面保護と座り心地を変えるための専用クッションを別注できるのですが、妥協しない北欧人夫は、ベント・ハンセン(Bent Hansen)にコンタクト。
3軒目のハンセンも有名な家具メーカーで特にレザー製品を得意としており、革の種類も豊富、Yチェアのクッションを希望の素材で制作してくれます。
先の2つのハンセンと同じ家具メーカー、しかもYチェアもチャイナチェアも作っていないのにクッションだけ?それも2ハンセンで注文できるのに?と疑問でした。
カール・ハンセン&サンで尋ねると、「あぁ、その素材はここでは扱ってないからべント・ハンセンに頼むといいよ。僕も頼んだよ」と軽いお答え。北欧のおおらかさなのでしょうか。
ベント・ハンセンの店舗自体は市内にないため、フリッツ・ハンセンのすぐお隣にあるインテリアショップ、パウスチャン(Paustian)が注文を受けてくれます。
銀行だった建物をリフォームした重厚な店内には美しい家具や雑貨が溢れて、また時間を忘れるひととき。革にこだわりのある方はチェックする価値があるお店ではないでしょうか。(1ページ目トップの写真)
ただ、メーカーの多くが市内中心街にあるとはいえ一軒ずつ訪れるのはやはり大変なので、時間は少ないけれど色々見たい方におすすめなのは、イルムス・ボーリフス(Illums Bolighus)。
市内一番の繁華街ストロイエ通りの中心にあり、人気デパート・イルム(Illum)やロイヤルコペンハーゲン本店もすぐお隣。
主にデンマークデザインの家具雑貨を集めたこの場所は、北欧デザインファンでなくても一度は訪れたいデパートです。
コペンハーゲンにお越しの際は、ぜひインテリアショップを楽しむお時間も予定してみて下さいね。
ジョージ・ジェンセンショールームでのテーブルセッティング
Written by 高見節佳(デンマーク)
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