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キャリア教育と職業選択について。日本とブラジルの違いとは?

2021年8月6日
岩井真理 (日本)

ブラジルの職業選択の方法とは?

私が以前住んでいたブラジルでは、6歳から14歳まで小学校と中学校が合体したEducação Fundamentalに通い、その後15〜17歳まで高校に当たるEnsino Médioへ行きます。

そしてこの頃には誰もが進路を決めて、将来就くであろう職業に直結したことが学べる学校を選びます。教育学部へ行って教師になったり、法律を学んで弁護士になったり、または電気関係の専門学校へ進み電気工になったりします。

つまり「生活していくため」のスキルを学ぶための選択をします。

それは単に学ぶだけでなく、社会と積極的に関わりを持ち、例えば、歯科医師を目指す学生は、ある程度の知識や技能を習得すれば、まだ卒業していなくてもボランティアや安価で治療を望む人達を診察することができるそうです。

この先歯医師としてプロになるにあたり、学生のうちに実務だけでなく、マインドも身に付けておくそうです。

反面、日本の教育は、職業に貴賎はなく職業選択の自由が軸になっているのに対して、ブラジルでは職業的偏見を少し感じたことがありました。

一応自由に仕事を選べる事になっているけれど、その実、親の職業やそれに近いものを継ぐことが多くて、そのカテゴリーから抜けるのはなかなか難しそうです。暗黙の中に階層があることを、何となく感じたことがあります。

女性の働き方に対する考えも、このうっすらとしたヒエラルキーがあるように思います。ブラジル人女性には、専業主婦はほとんど存在せず、何かしらの職業を持っています。キャリア教育の結果として、仕事するのは当たり前のようです。

 

「適職」は見つけることができる

日本でも共働き家庭が多くなってきたものの、結婚して子供ができるとフルタイムではなく、パートでスーパーとか飲食店で働くという話をした時に、「それは、ブラジルでは言わない方がいいわね」と言われ、ちょっとドキッとしました。

ブラジルで、職業やキャリアはどんなふうに見られているのか、垣間見た気がします。

それでも生活するために仕事があり、その準備のために学校で学ぶという実用的な考え方は、社会生活を現実的にイメージさせるには理になかっているような気がします。

キャリアコンサルタントとしてキャリア教育について考える時「大学生になってからでは遅い!」と、ずっと思っていました。就職する直前にちょっと考えたからと言って、いきなり職業観が醸成されるわけではありません。

もう少し小さな時から、興味を持ったり、疑問を持ったりしながら、「自分って?」と向き合う必要があると感じています。早めのキャリア教育が行き渡っていたら、日本が今抱える若年層の問題も減るような気がします。

一部の特別な才能のある人は、「天職」を手に入れることがあるでしょう。一般的には、なかなかそう思える仕事に巡り会うことは少ないのも事実ですが、でも「適職」を見つけることはできるのです。

そのお手伝いをすることを、私は仕事にしています。仕事だけでなく、個々に相応しい生き方や働き方、生きる意味、、、ご一緒に考えましょう。お力になりますので、こちらからご連絡下さい!

Written by 岩井真理(日本)

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