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古着の寄付はメリットばかりではない?アフリカ・ルワンダから見る古着の闇

2021年8月28日
竹田あすか (ルワンダ)

古着からの脱却を目指す、ルワンダの取り組み

2016年にルワンダを含む6カ国で構成される「東アフリカ共同体(EAC)」では、繊維産業を育てようと古着の関税を段階的に上げて、2019年までに輸入を禁止することで一度合意しました。

2017年にルワンダのカガメ大統領は、古着輸入を止めて地場繊維産業を成長させる必要があると述べました。

しかしこれに猛反発したのが、古着輸出大国のアメリカ。古着の輸出に関わっている多くのアメリカ国民の雇用が脅されるからという理由でした。

古着輸入を禁止したら、「アフリカ成長機会法(AGOA)」の適用を禁止すると圧力をかけたのです。

こちらはアフリカとの貿易促進を目的とし、アフリカからの輸入品を免税にして経済成長を促す米国の法律で、この恩恵を受けられなくなるとアフリカ諸国は大打撃。それで他のアフリカ諸国は、古着の輸入禁止を撤回してしまいました。

しかしルワンダだけは古着の輸入禁止を取り下げなかったのです。それでも地場産業を発展させることが必要だと、カガメ大統領や政府が考えたんですね。

そして「メイド・イン・ルワンダ」キャンペーンを展開し、国産の衣料製造に力を入れました。

 

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これにはデメリットもあり、服を気軽に買えなくなってしまった人もいましたし、古着産業で生計を立てている家庭は苦境に立たされてしまいました。

ですが、メイド・イン・ルワンダのブランドを作り、希望を持っている若者も多くいます。それが少しずつルワンダに変化をもたらしているようです。

そして、2020年にはルワンダの衣類輸出が、2018年以来最高水準を記録。

これは米国への輸出の免税を受けられなくなった上での最高水準なのですごいです。それまでは米国が最大の輸出国だったのですが、ヨーロッパ諸国での市場開拓が成功したことが理由だそう。(The New Timesより参照)

私も実際にメイド・イン・ルワンダのブランドで、一度服を仕立ててもらったことがあります。

一着一万円もするワンピースでしたが、本当に着たいものを長く着るために、そしてルワンダの発展に貢献するためには良いことかなと思いました。一生モノのメイド・イン・ルワンダの服を持てたことは嬉しく思います。

今回は「アフリカから見る古着の闇」というテーマで、アフリカの現状をお伝えしました。次回は、この状況の中で私たちにできることについて考えてみたいと思います。

Written by 竹田あすか(ルワンダ)

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