では、HSPが特性に合った環境を目指して海外で暮らす場合、実際どうなのか考えてみたいと思う。
<メリットと思われる点>
・HSPが感じているかもしれない日本での窮屈さは、多様性が受け入れられる国では解放できるかもしれない。
・見慣れない景色や感覚を楽しむことで幸福感が上がるかもしれない。
<デメリットと思われる点>
・音や光の刺激は、日本より海外の方が断然大きい気がする。
・治安や衛生面でのストレスが逆に増えてしまわないか。
語学や文化、歴史的背景などは考慮せず、環境変化だけで考えてみるとこんな感じとなった。
アーロン博士の研究にあるように、どの国民でも一定数のHSP特性を持つ人がいるということなので、世界のどこかにHSPのパラダイスが存在するわけではないのかもしれない。
自分の特性に合った環境を手に入れるために住む場所を変えるのも一つの手段であるが、周囲に協力者を増やすのも一つの手段として有効なのではないだろうか。
協力者とは、「HSPの特性を理解してくれる人」のこと。
HSPの「類まれなる感覚」の理解が深まりつつある現在は、コミュニケーションの幅が広がるチャンスだ。
特性の活かし方を学んで実践することができたら、HSPにとっても非HSPにとっても「なぜ?」やストレスが減ってコミュニケーションが円滑になるかもしれない。
非HSPがHSPの感覚の鋭さをもっと頼りにしたり、他人を思う気持ちを汲み取ろうとしてみたら?HSPが非HSPの他人に頼る勇気を出してみたら?
相互理解のおかげでストレスや生きづらさが減る上に、「類まれなる感覚」による成果がより多くの人へ共有されて、心が揺さぶられる感動体験があふれる素敵な社会になったりしないだろうか。
そんな社会を作るのは、他でもない私たちである。そう意識することから始めていきたい。
Written by 周さと子(マカオ)
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