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海外転勤4回、駐在妻11年の駐在妻生活の中で見つけた「私らしい生き方」

2021年10月8日
伊藤結子 (イギリス)

熊本の震災のチャリティーイベント

シンガポール自宅サロン時代に繋がった駐在妻たち

2011年、3月11日。日本から遠く離れたところにいた私は、テレビで流れ続ける故郷、日本の震災の被害の状況に、不安で怖くて眠れぬ夜を過ごしました。

これからどうなるのか、一体どうすればいいのか。そう思った方は私だけじゃなかったはずです。

「何か役に立ちたい、私もボランティアに行きたい」と思いながらも、3歳の子供を抱えて日本まで行く勇気がありませんでした。

私が悩んで出した結論は、「今、ここでできることを探してやろう」でした。微力ですが、せめて私のマッサージして得たお金を募金したいと思いました。

はじめは、住んでいたコンドミニアムの多目的室を借りて、そこで1日マッサージをしてその売り上げ全額を募金するという計画でした。

でも、せっかくお部屋を借りるので、「何かしてみたい」と思って悶々としている周りの駐在妻の方に声をかけてみることにしました。

たった1人でやろうと思っていたチャリティーに、気が付けば賛同する仲間がたくさん集まっていました。みんなの才能が結集して、どんどんすごい企画に成長していきました。

ハンドメイドの小物を作る人、料理が得意だから弁当を販売するチーム、クッキーを作るチーム、古着を集めて販売する人、チラシを作る人、広報担当、会計担当、踊る人、演奏する人、スケジュール管理をする人も現れました。

 

「想いを持って生きる」大切さ

イメージ画像(ACフォト)

第1回目のバザー当日はオープン前に100人以上の人が並び、数時間で12000シンガポールドル以上(当時の約78万円)の募金が集まりました。1人でやったらせいぜい1万円程度の募金しかできなかったでしょう。

「無理はしない。やれることだけやろうね」と最初から掲げ、みんなが得意なことややりたいことだけを持ち寄っただけなのに、大きな成果を上げることができました。

現地ではまだまだ苦しんでいる方がたくさんいる中、こんな主婦がやるバザーなんて自己満足でしかないけれど、日本に帰れず悶々としている私たちの行き場のないエネルギーをお金に変えて、1円でも多く支援が必要な被災者の方に届けたいという想いがありました。

このバザーに関わる全ての人が、誰一人が欠けても遂行することができなかったと思います。

私はおっちょこちょいだし、数字に弱くて会計もできないし、取り柄がないどうしようもない人間だなと思っていました。

でも、できないことは、「できない」「実は苦手なんだ」と言えば誰かが助けてくれる。どんな小さなことでも得意なことをやってみたら喜ぶ人が必ず居る。

「みんな違ってみんないい」「みんなでやればなんとかなる」がこんなに腑に落ちる体験は初めてでした。主婦パワーが集まればここまでできるのか!と思いました。

第1回目のバザーが成功し、その後も「やりたい人ができることをする。やりたい分だけ参加をする」という精神の元、3回のバザーをしました。

数年後の熊本の震災の際にも有志でバザーをして募金を集めました。今までに日本に送った募金は合計で200万円以上になります。

チャリティーバザーを通して私は、「想いを持って生きる」大切さを学びました。無理せず、ありのままの自分で素直に生きようと思いました。

また、仲間とひとつのものを作り上げた経験から「自分が本当に楽しいな、やりたいなと思うことを、やりたいなと思っている人とワクワク一緒にやっていける人生を送りたい」と思うようになりました。

いつ死ぬかわからない人生、それならば、やりたいことはなるべく後悔しないよう挑戦したいです。

Written by 伊藤結子(イギリス)

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