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子育ては皆で助け合うもの!育児しやすいブラジルの子育て事情

2021年11月22日
HIROMI (ブラジル)

父と娘。青森県弘前市にある最勝院にて

ブラジル、父親の育児休暇制度

ブラジルは人種差別問題に対しては厳しい国なのですが、実は男性のファシズムが強く、父親は絶対君主的な存在で、男性が育児に参加することは以前はなかったのです。

ひと昔前の日本のようですね。だからでしょうか、父親が家族よりも前を歩いていると「日本人みたい」とブラジル人に揶揄われる事も。日本からブラジルに移住した、父親達の当時の様子が垣間見えるようです。

しかし、時代は移り変わり、今では父親も育児に参加するようになってきました。(※家庭環境によっては、育児に参加しない父親もいます)

妻の出産に立ち会うのも当然のことで、産後は妻の体をいたわり、役所への届出や買い物、赤ちゃんの世話などを積極的に引き受けてくれます。

そのため、子供が産まれた日から5日間の育休は労働法で労働者の権利だと定められてます。また、労働手帳を使用せず働いている人でも、2,3日間ぐらいの育休を取っています。

2016年には父親の育児休暇制度ができ、働いている企業によりますが男性にも20日間の育児休暇が認められるようになりました。

育児に参加する父親の姿を見た子どもが将来父親になった時、また同じく育児に参加し、次世代に繋がっていくのは嬉しい事ですね。

 

育児しやすい国ブラジルは人の心も向上させる

リオ・デ・ジャネイロのイパネマビーチ

ブラジルでは「子供の誕生は神聖で喜ばしいもの」と考えられていて、人生において重要だという認識が社会全体に根付いており、「子育ては皆でする、助け合うもの」という考えが強くあります。

そのため、妊婦さんや子連れのお母さんが公共交通機関に乗ろうとすると、近くにいる人が率先して優先席へ誘導、ベビーカーも持ってくれますし、スーパーマーケットのレジや公共施設、駐車場には、子連れ・妊婦さん・お年寄り用の専用レーンやスペースがあります。

その感覚を持ったまま日本に一時帰国をした時は、「ブラジルはなんて良い国なんだろう!!」と思ってしまいました。

他にも、Espaço de brincarと呼ばれる子どもを預けられるスペースがあるお店がブラジルには多くあり、お世話をしてくれる大人が子どもの面倒をみてくれます。

レストラン内にある場合は、大人はゆっくりと食事をすることができ、ショッピングモールの場合は有料で預けて、ゆっくりと買い物をする事ができます。

また、ブラジルには「子どもを人前では叱らない」という暗黙の子育てルールがあります。確かに人前で怒られると自尊心を傷つけられますよね。

そして、褒める時は自尊心を高めるために人前で盛大に褒めます。ブラジル人は褒め上手なのです。自己肯定感が高い子供や大人が多いのは、そういうところから来ているのでしょう。

日本ではダウン症、発達障害を持つ子供は特別支援学級で教わる事が多いと思いますが、ブラジルでは余程重度でない限りは普通クラスで教わります。クラスメイトができないことは皆で手助けして、できたら褒める。

こうして助け合う精神と褒め上手な所は、子どもの頃から自然と身についていっているのですね。

ブラジルの子育ての仕方を見て、私でもできることがしたくなり、貧困層の子どもを支援するようになりました。また、ダウン症や障がい者、自閉症のためのフィットネス講座に参加し、学んでいます。この学びと行動が子ども達の未来に繋がる事を心から願っています。

ブラジルの子育てに対しての考え方はいかがでしたか?日本で育った私にとって戸惑うことが沢山ありますが、子育てをしているのがブラジルで良かったと心から思っています。

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!Até mais!!(アテマイス/またね)Tchau Tchau!!(チャウチャウ/バイバイ)

Written by HIROMI(ブラジル)

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