誤解を恐れずにいえば、バクーにはなんでもある。
アゼルバイジャンのバクーに住んでいると言うと、大概エキゾチックなシルクロードのオアシスの都を想像されるのだけれど、その実はごく現代的な大都市である。
そして例えば、日本に帰国して人に会うと、興味深そうに、「アゼルバイジャンでは一体何を食べているの?」と聞かれるけれど、もちろんマクドナルドもあるしハードロックカフェもあるしラデュレもあるし、イタリアンレストランもインドカレー屋も中華料理店もタパスバーも寿司屋もある。
だからいち外国人駐在員としては、世界の他の大都市にいるのとさほど変わらない食生活を送ることができる。
もちろん、バクーには、アゼルバイジャン料理のカフェやレストランもたくさんある。
海辺のブルバー地区や、噴水広場(タルコバ)あたりに出かけると、ゆったりとしたテラスで、ワインを飲みながら、ドルマや羊のキャバブやシャープロフといったこの国の伝統料理を楽しむことができるお店がたくさんある。
このあたりのレストランでは、写真付きのメニューがあり、ずいぶんと英語も通用するので、注文にも困らない。地元の家族連れも多く賑わっていて、雰囲気もいい。
大人数の食事でも二人きりの食事でも、小さなコテージは利用できる
けれども。本当のアゼルバイジャンらしい料理と、その雰囲気を楽しむのなら、ほんの少しバクーを離れてみるのがいい。
郊外に出ると、レストランには広い庭があって、その庭には小さなコテージのようなものがたくさん点在していて、それぞれにテーブルが設えてあり、小さな山小屋のようなプライベートな空間で、食事を楽しむことができる。
もちろんその小さな小屋は冷暖房も完備。夏は灼熱で、冬は雪も降るアゼルバイジャンの気候でも、快適だ。大人数の食事でも、二人きりの食事でも、その小さなコテージは利用できる。
まず、お店に着くとそんなかわいい小屋に通されて、メニューを見たり、口頭で本日のおすすめを聞いたりする。
炭火で肉を焼くのバーベキュー料理のキャバブをはじめ、鉄板に野菜と肉を盛り付けて焼く遊牧民文化らしいサジなどのアゼルバイジャン伝統料理や、胡桃とプラムの詰め物をするレベンギというローストチキンなど。
地方ごとに特色のある郷土料理など、選択肢はいろいろある。その中から、めいめい好きなスープと肉料理を選び、飲み物をとる。
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