お世話になったテキストたちは私にとってのバイブル
半年ほどして生活が落ち着いてきたので、再びレッスンに戻ることにしました。少しブランクがあるので、復習も兼ねて再びA1から、B1までの長めのコースを受けることに。
同級生は、子育ての仕事をしながら勉強している「オペア」や「ギャップイヤー」の若者が多かったです。また、ヨーロッパの言語は共通点があり、みんな進歩が早くて焦りました。
でも私は「母語が日本語」「加齢による記憶力低下」というハンデがある分、宿題を真面目にやっていたので、最後には良い成績が取れました。やっぱり努力は大切。
無事に2回目のコースを終了し、このまま試験を受けてみてもよかったのですが、落ちるとまた支払わなければいけないので、義務も期限もない私はマイペースに学習を進めることにします。
具体的には、Ad Appelという語学学校のinburgeringsexamen A2というテキスト、図書館で閲覧して気に入ったBabageという「オランダ社会の知識」科目のテキストを取り寄せ、独学をはじめました。
ただ、目的があいまいな独学ってなかなか進みませんよね…。そんな時に教えてもらったのが、近所にある語学コーチのボランティアを紹介してくれる団体。
行ってみると、登録用紙を渡され、希望などを書き込み登録しました。それから1,2ヶ月経って、候補がいるとの連絡を受けました。
図書館併設のカフェで毎週学習しました
会ってみると、いかにもオランダ人らしい2メートル近い男性でした。仕事をリタイアしてから、作家として活動しつつ、語学のボランティアをしているとのこと。
この団体から派遣される先生は、週1回1時間、1年間無償でオランダ語の学習アシストをしてくれます。場所はケースバイケースですが、私たちは図書館のカフェで学習しました。
最初の日に「何を勉強したい?」と聞かれたので、「市民化試験の合格を目指している」「特に話す練習をしたい」ということを伝えると、Babageを一緒に読み進めていく道筋が決まりました。
コーヒー代は、オランダらしく交代で支払うことに。「無償で教えてもらうので、コーヒー代は払わせてください」と言ったのですが、「自分の楽しみでもあるから」と固辞されてしまいました。なんてジェントルマン!
学習の進め方は、まず先生にテキストを読んでもらい、その後、全く同じ箇所を私が読みます。途中で発音を直してもらったり、意味が分からないところを質問しながら、ゆっくりと3,4ページくらいずつ進めていきました。
このBabageというテキストには、オランダの地理から社会制度、政治まで、移民として知っておきたい知識が詰まっており、私のオランダに対する疑問に答え、理解を深めてくれた、オランダ語初学者にぜひおすすめしたい一冊。
この先生との学習を始めて半年ほど経った頃、「そろそろ試験を受けてみようかな」という気分になってきました。
先生に相談してみると、「きっと大丈夫!」と言ってもらえ、ようやく申し込む決心がつきました。それほど自信はなかったのですが、とにかく申し込んでみることにしました。
次回はこの続き、試験について書いていきたいと思います。
Written by 藤村ローズ(オランダ)
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