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国際看護師の職を通して見る多様性

2022年8月29日
研谷美月 (アメリカ)

なぜこのテーマを選ぼうと思ったか?

ALOHA! アメリカハワイ州在住6年のMitsukiです。現在正看護師としてハワイで働き始めて3年目になりました。

今回は国際看護師の職を通してみる多様性というテーマで綴りたいと思います。

この度JINES​​日本国際看護師育成スクールという日本国際看護師資格(NiNA)の認定講座にて、講義を担当させていただきました。

日本国際看護師資格は、「異文化に対する理解や外国語能力に優れた看護師を養成し、水準に達したものを日本国際看護師として認定することにより、外国人患者等及び受入れ医療機関の双方に資する専門家を輩出し、国際医療の推進に寄与することを目的」として導入されました。(ICM国際臨床医学会より)

講義のために準備をしながら文化背景の違い、多様性などといったことをよく考えました。その中で日本で暮らしている時には思いつかなかった感覚が身についていることに気がつきました。

グローバル化、国際化が進む中でこのコラムを読んでくださった方の新しい気づきに繋がれば嬉しいです。

 

「〇〇人」の奥に広がる多様性

「文化的背景を考慮した看護」ということを説明しながら、区別的にならないかということでとても苦労しました。

それは様々な文化的背景を持った患者さんのケアにあたりながら、「日本人は」「アメリカ人は」「〇〇人は」というカテゴリーでは、決して区切りのつかないことが沢山あるということを知ったからです。

例えば、ハワイには様々な文化的背景を持った日本人がいます。

ハワイで生まれ育った方、移民何世の方、日本で生まれ育ったけど現在はハワイで暮らしている方などなど。もちろんミックスの方も。

私は「日本人?」と聞かれると自然と「生まれと育ちは日本です」と答えるようになりました。

例えば両親ともに日本人であったとしても、日本で生まれ育った人とアメリカで生まれ育った人では、また違った考え方や感覚を持っていることもあれば、共通する部分を持つ場合もあったりします。

人種や民族が持つ特徴が当てはまる場合もあれば、当てはまらない場合もあるわけです。

 

自分の中にある多様性

ハワイで暮らしながら自分の中にも多様性が生まれていることにも気がつきました。

自分の中で、いわゆる日本人らしさや日本人の特徴を持ちながらも、また別の文化が持つ特徴が取り込まれているということです。

いわゆるアメリカナイズということなのかもしれません。でもだからといって日本人らしさが失われているということではないと思います。

自分一人の中で多様性が生まれてそれが共存しているということじゃないかなと思います。

「〇〇人」という一つのカテゴリーに収まる必要はないですし、自分の多様性に気づく中で他の方にも寛容に理解のある態度をとれるようになる気がします。

Written by 研谷美月(アメリカ)

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