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一時帰国者に聞いてみた【後編】「日本から持ち帰って良かったもの」「久々の日本で感じたこと」

2022年10月8日
岩井真理 (日本)

久々の日本で感じたことの第一位はやっぱりアレ?!

そして、久々の日本で皆さんが感じたことの第一位は、コロナに関してです。

まだみんなマスクしているの?ちょっとピリピリしすぎじやない?その割に、感染者数は増えているし、家庭用検査キットも普及しておらず、完全に海外に遅れをとっている感じだそうです。

ヨーロッパなどでは、コロナは完全に過去のものになりつつあるのに、日本はぐずぐずしてると見えたらしい。世界とのズレを感じます。

「母国へ帰るより滞在国へ戻る方が全然簡単で、皮肉ですね」と言っていた人もいます。

9月7日からは、72時間以内の検査証明を求める代わりに、有効なワクチン3回接種済みの証明ができればよいことになり、多くの国からの日本入国における「水際対策強化に係る新たな措置」が発表されましたが、どこまで入国しやすくなるのかは不明です。

アプリ導入もイマイチで、空港内をたくさん歩かされるのは不評でした。一年後も、マスクしているのでしょうか?この帰国で、ストレスになった方も少なくありません。

他にも、レジで急いでいるのかイライラしている人をよく見るので、心が疲れているかも、愚痴も多いような気がする、心に余裕がなさすぎ、と日本人のメンタル問題は私も気になります。

 

日本のポジティブな印象は?

ポジティブな印象としては、以下のようなことが挙げられます。

①以前より、車が横断歩道で停まってくれたり、子連れに席を譲ったり、エレベーターやドアなど押さえてくれる人が増えた
②何を食べても美味しくて、コスパがいい
③手際良く、サービスが良い(過剰サービス、お客に気を使い過ぎでもある)
④レジ袋の有料化で、閑居問題に取り組んでいる
⑤医療費が安くてビックリ
⑥公共交通機関が、迅速正確(Amazonや宅配も)
⑦コンビニ、ファストフードが手軽で便利

そんな日本に、かつての東南アジアみたいな印象を持った方も少なくありません。物価の安さは、特に北米から帰国された方は痛切に感じたようです。

⑤の医療費は、保険を使わず10割負担しても滞在国で治療するより安く、日本語も通じて安心なので、一時帰国の時は眼科、婦人科、循環器科など医者のハシゴだそうです。それを考えると、「老後は日本で暮らしたい」という意見もありました。

一方で、長い間、給与が上がらない日本の経済に、「日本は弱い国になってしまったのでは」という懸念もあります。これは、私もブラジルに住んでいた時から感じていたことです。

一時帰国した友達とは、時間を惜しんで話しました。「次は日本か滞在国か、はたまた第三国で会いましょう」と約束して別れました。

 

滞在国へ帰ってから感じたことは?

その後、滞在国へ帰ってからの気分も聞いてみました。日本の夏は暑いので、戻ったら寒かったとか、夏は滞在国にいて冬は日本へ帰る二重生活に憧れている人もいます。日本でマスクがストレスだった人は、滞在国で解放感を味わったとか。

ホテルでも実家でも落ち着かなかったが、滞在国の家に戻ったら「どこにいても自分の家が一番落ち着く」と感じた方もいました。

「また日本へ行くために頑張る!」というモチベーションで生きている海外在住者達には、一時帰国を支えに日々悪戦苦闘しつつも折れないタフさも感じます。

祖父母と過ごす時間の中で、国際結婚のお子さんの日本語がすこぶる上達したり、日本が大好きになったり、やはり一時帰国の威力は凄いです。少なくとも子供達は、大成長を遂げているのです。

日本と海外、常識も習慣も違う世界の中で、どちらにもアジャストしながら、それぞれの良さを楽しむことができたら、地球の上どこでも暮らせそうな気がしてきました。

私は夏休みもなく、どこへも行かずじまいの2022年夏でしたが、世界中からみんなが届けてくれた空気で、世界中と繋がった気分になりました。

私の夢は、一年の半分だけ日本で働いて、残りの半年は世界中を旅することです。世界中どこへでも気軽に、軽やかに行ける日が早く来ますように。

Written by 岩井真理(日本)

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