12月に入り、こちらオーストラリアでも、End of Year Party(忘年会)の季節がやって来た。私の職場も12月初旬に開催が決まり、いよいよ2022年もカウントダウンに入った気分である。
今回は私の現在の職場の忘年会をお話しよう。
クリスマスホリデーが慣例であるオーストラリアでは、End of Year Party は12月半ば、クリスマス前までに行われるのが一般的である。
早いところでは12月20日以降、遅くとも12月24日のクリスマスイブ以降、ほとんどの企業は年末年始休業に入る。
クリスマスイブを過ぎると、サラリーマンやOLの姿が消えたオフィス街は静寂に包まれる。そのおかげで、年末はとてもゆったりとした気分になり、夏を存分に楽しむ生活となる。
ほとんどの職員がシフト制の仕事をしている私の職場では、全員が同時に参加することは不可能である。そのため、できるだけ希望者全員が参加できるように、過去には2日間の日程で開催していたこともあった。
近年では開始時間と終了時間の間、自分の都合がいい時間に参加する形式がとられている。
ここで特筆しておきたいのが、オーストラリアでは忘年会のほとんどは「自由参加型」ということだ。費用も雇用主持ちがほとんどである。
忘年会に参加しないからと言って他の職員や上司に気を使うこともないし、参加しない人たちのことを変に思うこともない。
職員の間でも、「忘年会行くの?」「私は行かない」とサラッとした会話が行われる。
オーストラリアでも忘年会の趣旨は、日本のそれと同じである。
役員、職員の一年の労を労い、みんなで楽しく語らいながら、食事やお酒を楽しむ。久しぶりに会う同僚や、普段は滅多に話すことがない本部オフィスの役員や職員と会う機会でもある。
しかし一番の趣旨は、実はネットワーキングなのである。
転職をポジティブに捉えるオーストラリアでは、役員や職員のターンオーバーが比較的に高い。
私は現在の職場で5年近く働いているが、CEOは現在3人目。他の役員や上司も2年前とは様変わりしている。今年の初めには再度人事編成が行われ、新しい役員や職員が入った。
普段本部オフィスに行くことがほとんどない私のような現場の職員達にとって、忘年会はまだ会ったことがない、新しい役員や職員に会う機会でもある。
私が働く現場のエリアとは別のエリアで働く職員達とも会って、情報交換などを行ったりもできるのだ。
色んな人達と会話をして近況、過去の職歴や経験などを語り合い、次の転職に備える人たちも少なくない。同じ業界の中での繋がりを広く持つことにより、キャリアアップを狙うのがオーストラリアでは一般的なのだ。
オーストラリアのEnd of Year Partyは、たくさんの人達との会話の中で、自分のキャリアの方向性をアップデートする機会でもあるのだ。
新年に向けてリラックスして気持ちを新たにするためにも、今年も張り切って参加を決めている私である。
Written by 野林薫(オーストラリア)