今回のコラムは「イスラム教徒のインドネシア人と恋愛を経て結婚した日本人妻たちの体験談やアドバイス」の後編をお届けします。【前編】をまだ読んでない方はまずそちらからどうぞ。
さて、前回のコラムを読んだ皆さんは、どのように感じたでしょうか?
「やっぱり・・」「意外だった!」などさまざまなご感想があると思います。
コラムの中でも書きましたが、一言でイスラム教徒と言っても考え方や信仰心、ライフスタイルは個人によってさまざまです。
これからお伝えする内容も、リアルな体験談や心強いアドバイスです。
アンケートに回答してくださった日本人妻の皆さんとご意見と、私自身の体験談も含めてシェアします。
・結婚する前は改宗すればいいだけだと思っていたが、改宗したからといっても、すぐに心から神アッラーを信じることは難しいと感じた。
・食事の違いは徐々に慣れる。日本でヒジャーブをすることは時々抵抗がある。
・改宗したとしても自分は自分のままで良いし、特に強制されるものではないとわかった。
・お付き合いを始めてから、イスラムについて勉強を開始。なぜお酒・豚肉を食べられないか、なぜ礼拝やヒジャーブをするのかなどを勉強したので、心配や不安に感じることはなかった。
・ライフスタイルの習慣化は大変。
・お付き合いの段階では、手をつなぐことやお泊まりすることもなく、彼氏とはいえ実際は頻繁に会う関係性で、将来のことなどより深い話をするというだけでした。良くも悪くもお付き合いしている感覚が少し希薄でした。
・自分の家族にどのように伝えるかということ。
・無縁だった宗教のことについて、時間をかけて知る必要があること。
・改宗するということは、人生において生活も見た目も変化することなので努力は必要。
・結婚の手続きは大変だったが、宗教の観点から考えればとても楽。お葬式や結婚式もそれほど気を遣わなくていい。
・ムスリムであるパートナーを好きになったということは、バックグラウンドとしてあるイスラムも含めて好きになったということ。きっと分かり合えると思います。
・焦って入信せず、きちんと時間をかけて、納得してから入信した方がその後の自分にとっていい。
・最初は慣れないかもしれませんが、信じることで生きやすくなったという人も多いです。
・私の夫は常に「結婚するには改宗する必要があるけど、結婚や交際相手のために改宗するのではなく、自分の人生のために改宗してほしい」と口酸っぱく言っていました。
私はその言葉の元に勉強して、「これなら自分の人生が良い方向に向かう」と感じたので改宗しました。
改宗することで変化が起こり、時に大変に感じることがあるかもしれませんが、「自分の人生のため」と思ったら、大抵「Insha Allah(神の意志により)」で乗り越えられます。
結婚のためや交際相手のためだけの改宗だと、もし交際相手のことを嫌いになってしまった場合、イスラム教のことも辛く感じることが多くなってしまうがしれません。
私は日本人の改宗者が増えてくれることが本当に嬉しいので、一人でも多くの方が勉強して改宗してくれることを望んでいます。何か困ったり疑問があれば、モスクに行ったり、周りのムスリムの方に相談してみてくださいね。
いかがでしたでしょうか?前編、後編のコラムで書いてきたように、イスラム教徒といっても個人によって違うことが多々あります。
イスラム教徒をパートナーに選ぶ側も、考え方や感じ方、イスラムの教えや生活スタイルに適応できるスピード、家族の反応など皆さんさまざまです。
先述のアドバイスにもあるように、経験者に相談したり、まずは自分自身がイスラムについて学んで知ること。それがパートナーと人生を共にすることや家族を持つことに対して決意するための助けになるかもしれません。
イスラム教徒の皆さんは、イスラムについて知りたいという人に対してとても優しくいろいろなことを教えてくれる人たちばかりです。
このコラムがイスラム教徒をパートナーに持つ皆さんのお力になれば幸いです。
Written by スパルディ杏子(インドネシア)