こんにちは!野田リエです。今回はアメリカの物価について掘り下げたいと思います。
少し前にドジャース球場へ試合を見に行った際、日本から出張で来ているという方と話す機会がありました。
その方から「アメリカのものは、何もかも高く感じる」と聞きました。これってよく言われていますよね。
では、実際のところどうなんでしょうか?
日本と比べるだけでなく、異なる視点からもアメリカの物価を見ていきましょう。
ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、1980年代にエコノミスト誌が開発して以来、世界経済と通貨評価の指標として用いられている「ビッグマック指数」というものがあります。
その名のとおり、さまざまな国のビッグマックの価格を米国の価格と比較することで、経済状況を分析するというものです。
参照:セカイハブ https://sekai-hub.com/posts/big-mac-index-2024-01
早速、2024年のデータを見てみましょう。
一番価格が高いのは、スイスの8.17ドルでした。次にノルウェー、ウルグアイ、スウェーデン、コスタリカと続き、アメリカのビッグマックの平均価格である5.69ドルは上から9番目。
日本は世界的に見ても価格が低いほうで、45番目の3.04ドル。アメリカとの価格差はなんと2.65ドルもあり、半額に迫る勢いです。
ただ、この指数は高いとダメで低ければ良いというものではなく、さまざまな国の経済の健全性、通貨の強さ、消費者の購買力を計るためのデータです。
こうして見ると、アメリカのレストランの価格は、日本より約45%高いということが言えます。日本の視点から見たら、非常に高く感じますよね。
加えて、アメリカにはチップ文化があります。レストランでの食事の平均費用はドリンクやチップなしで、一人当たり約15ドルから25ドルと言われています。
ファストフードでは通常、一人当たり5ドルから10ドル。レストランでは、30ドルから50ドル以上かかるでしょう。
チップを置くことは義務ではありませんが、カリフォルニアだとだいたい15%から20%のチップが平均的ですので、およそ1ドルから20ドル前後が外食費用に都度上乗せされることになります。
「そんなに何もかも高いなんて、おかしい!」と、日本の物価感覚でアメリカの物価を評価する前に踏まえておきたいのは、日本が先進国の中で賃金と物価が30年以上横ばいを続けている唯一の国であるということです。
日本の物価と賃金に劇的な変化がない一方で、他の先進国は年々市場成長を遂げているわけですから、アメリカを始めとする他国の物価を高いと感じるのは否めません。
言い換えれば、世界の物価上昇率が異常というより、日本の経済環境のほうが特殊なのです。
年間所得額にしてみても、日本では一般的に年収1,000万円以上は高所得とされていますが、アメリカでは経済成長と共に物価も高騰しているため、州や居住地域によって大きく左右されるものの、過不足ない暮らしをするレベルで年収1,000万円以上が必要というデータもあります。
年収を比べてみても、2022年の日本の平均年収は458万円なのに対し、アメリカの平均年収は$75,000(約1,200万円)で、これを見ても年収1,000万円が日本のレベルでの高所得ではないことがわかります。厳しい現実ですね。
今回は日本とアメリカの物価の違いと諸事情について掘り下げました。いかがでしたでしょうか?次回もお楽しみに!
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Written by 野田リエ(アメリカ)