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「外国人が暮らしやすい国」8位のベトナム。在住者が語る暮らしやすさと本音

2024年7月24日
大野由佳 (ベトナム)

駐在員が暮らしやすい国8位の実力は?

Xin chào! (シンチャオ) こんにちは!ベトナム・ホーチミン在住のグローバルキャリアコーチYukaです。

全世界に滞在する駐在員や留学生、移住者のネットワーキングのためのコミュニティ「InterNations」が発表した、駐在員が暮らしやすい海外居住地のランキング「Expat Insider 2024」で、ベトナムが53カ国中8位にランクインしました。

「本当に?!」と驚かれた方も少なくはないのではないでしょうか?

このランキングは53の国と地域で働く1万2500人余りを対象に調査を行い、①生活の質、②定住のしやすさ、③海外勤務の充実度、④個人の経済的満足度、⑤海外生活必需品の充実度の5項目で構成されています。

ベトナムにおけるそれぞれの項目の順位は次の通りです。

①生活の質(40位)
②定住のしやすさ(13位)
③海外勤務の充実度(14位)
④個人の経済的満足度(1位)
⑤海外生活必需品の充実度(29位)

全体の順位を押し上げている要因は、「個人の経済的満足度、つまり一般的な生活コストと個人収支に対する満足度にある」とレポートにはありました。

 

移住2年目の暮らしやすさの本音

ちょうどホーチミンに移住して一年が経過し、生活全般を振り返ってみると、「全体的な暮らしやすさ」という意味では「ほぼほぼ満足」というのが個人的な感想です。

しかし、この調査結果で見るような「経済的なアドバンテージは感じない」というのが正直なところです。

外国人としての暮らしを前提にすると、住居費や食費も安価というわけではなく、特に教育費についてはむしろ近隣諸国と比べても割高な印象です。

なぜこれほどの感覚の差が生まれるのでしょうか?

レポートをより詳細に読み進めてみると、ベトナム駐在の対象者の属性が「平均年齢52.4歳、教育関連の方が38%、長期滞在もしくは永住予定」となっています。

そのため、「調査対象母数のライフスタイルにある程度の偏りがあるのではないか」というのが私の考えです。

これまでシンガポール、タイ、ベトナムと東南アジアを3カ国経験してきましたが、どの国でも家計に一番インパクトがあるのは教育費です。海外では日本人学校も私立校の分類に入りますし、現地校も外国人は無償というわけにはいきません。

そもそも現地校は言葉の壁があるので、公用語が英語の国ではない限り、日本人家族が選択することは難しいのではないかと思います。

 

暮らしやすさでは満足しつつも、一番の懸念は教育費

またインターナショナルスクールとなると、小学校に相当するプライマリースクールでも年間300万円から400万円、中高生向けのセカンダリースクールになると年間400万円から最終的には600万円近くになります。

しかも、毎年インフレーションで学費も5~6%ずつ値上がりしていきますから、インフレを考慮した家計プランを作っていても毎年ヒヤヒヤです。

一方で、物価高と言われるシンガポールにおいては、ここ数年でそれなりに学費を抑えたインター校も出てきていますし、バンコクではタイ人向けのイングリッシュ・スクールを選択するご家庭もあるようです。

しかしながら、ベトナムではまだそれだけの選択肢がなく、市場競争が起きていないので、国のインフレに従って学費が値上がりしている状況が続いています。

ベトナムの暮らしは、シンガポールやタイと比べると、物の手に入りにくさや、移動の不便さ、公園などの施設やエンタメの少なさといったものは感じつつも、日本食材なども含めて必要なものは手に入りますし、外食のレベルもローカルから各国の料理まで粒揃いで十分満足。

ある程度、子供たちも成長した今の私たち家族にとっては、ちょうどよい充足度を満たしています。

生活面の充足度や経済的な満足度については、それぞれの家庭のライフステージによって求めるものも異なるでしょうし、その時々で満足度も異なると思います。

今回ご紹介した「Expat Insider 2024」レポートから、自分とは異なる目線でどの国がどのような観点で評価されているのか見てみて、将来の滞在先を考えてみるのも興味深いのではないでしょうか。

ベトナムでの暮らしの様子や日々の気づきはこちらのInstagramアカウントで発信しています。ぜひこちらもフォローしてくださいね!

Written by 大野由佳(ベトナム)

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