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海外での死別、グリーフサポートの重要性と乗り越えるための方法

2024年9月18日
研谷美月 (アメリカ)

海外にいるからこそ感じる苦難

ALOHA! アメリカハワイ州在住歴8年目のMitsukiです。私はアメリカハワイ州で正看護師(現在は訪問看護師)として働く傍ら、国際的に活躍したい看護師さんたちをサポートする会社BeLightの代表としても活動しています。

BeLightの主力サービスとして、アメリカ看護師免許取得を目指す方々をサポートするコミュニティ「アメリカ看護師ピアサポートコミュニティ」を運営しています。

ここ最近は仕事を中心に記事を綴ってきましたが、今月は少し違ったテーマで書きたいと思います。

数年前に身近な人を急に亡くし、一気に世界が変わってしまいました。

看護師として働いているので、死に向き合うことがそれまでまったくなかったわけではありませんが、また別の痛みに向き合わざるを得なくなりました。

日本にいても似たようなことが起こるかもしれませんが、海外に住んでいるという状況が影響することも多いと感じます。

家族や親しい人が病気になったり、何か大変なことが起きたりしても、ビザや経済的な状況、さまざまな理由からすぐに帰国できなかったり、現状を知らされていなかったり、情報が届かなかったりする時があると思います。

「もっと何かできたのではないか」「日本を出るべきではなかったのではないか」と自責の念を抱くこともあります。

 

グリーフピアサポートコミュニティとの出会い

ハワイを拠点とするグリーフコミュニティに出会い、今年の初めからグリーフサポートグループ「COPE Hawaii」に定期的に参加しています。

普段の家族や友人との会話では話しにくい死や死別、悲嘆を語れる貴重な場となっています。

話したいと思っていても、暗い話をしたくない、反応に困るかもしれないと躊躇したり、どんな反応があるのか不安で、話題にするのが難しいことがほとんどです。

しかし、ここでは遠慮せずに話せるため、グループに参加する時にみんなに聞いてもらおうと心の整理が付き、感情に気づいてそれを管理できるようになった気がします。

一人一人がそれぞれの形やペースで悲嘆を通っていますが、共感できる部分が多く、「自分だけじゃなかったんだな」とほっとすることができます。

また、自分の中で整理がつかない感情や思いを共有したり、アドバイスを求めたりすることもあります。

同じような経験をしている人たちなので、的外れなことを言われることが少なく、安心して話すことができます。

 

自分自身の経験を通して

自分がこのような経験をしたことに対して「なぜ?」という思いは少なからずあります。

起こってしまったことは決して良いことではありませんが、少しずつこの経験を辛いだけでなく別のものに変えていきたいと思えるようになりました。

これまでグリーフに関する本「The Grief Recovery Handbook」を読んだり、教会で開かれているクラスに通ったり、カウンセラーにかかったり、そして今はピアサポートグループに通ったりする中で、誰かにシェアできるツールを自分の経験を通じて伝えられるようになったと感じます。

また、この経験は看護師としての仕事にも生かされています。

グリーフ(悲嘆)とは一生かけて向き合っていくものだと感じていますし、人生の中で誰もが例外なく経験するものではないでしょうか。

このコラムを読んで、もしこれまで孤独を感じていた方がいたら、「1人ではない」と思っていただけたら嬉しいです。

また、何か助けになるツールに出会うきっかけになれば幸いです。

Written by 研谷美月(アメリカ)

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