実は、ずっとやってみたいと思っていたイタリアへの1カ月以上の滞在でしたが、いざ行こうとなると怖気付いてしまいました。
出産前は冒険的な旅行も大好きで、バックパック旅行やユースホステル暮らしも含めて79カ国も行っているぐらいなので、旅のためなら多少の不便は我慢してきた経験もあります。
ですが、産後の心も体もボロボロで大変だった期間を乗り越えて、やっと築き上げた心地よい日常生活やルーティンを壊すこと、変化を受け入れることが怖くなったのだと思います。
旅の予約を始めなくてはいけないタイミングになると、生まれて間もない乳児と一緒に、いつもと違う環境で心地よく過ごせるのか自信がなくなり、やっぱり行かない方がいいのではないかと思ってしまいました。
しかし、「エイヤ!」と勢いをつけて旅に出ることに!
結果としては、「なんだ、意外とできるじゃん」「変化も楽しめるじゃん」と、自分に対しても子供に対しても自信が付きました。
何が大変だったかというと、それは断トツで「出発前の準備」です。
赤ちゃんのものは、服から哺乳瓶、搾乳機、ベビーカーまで荷物がとにかく多いのです。それらの荷物をすべて車に積む時はまさにパズルのような大変さで、詰め込んだあとは車がぎっしりで自分自身も動けない状態になりました。
また、家の中で荷物を準備していると赤ちゃんが泣き出し、ミルクをあげて落ち着いてから準備再開。でも、すぐにまた泣き出すの繰り返しで準備がなかなか進みません。
結果、10時の出発予定は14時半出発に。ようやく出発したのも束の間、車の中で激しく泣き出して、「一体このまま進めるのか?」と不安にもなりました。
その日に経由する街、スイスのローザンヌで現地の友達と夕ご飯を食べる約束をしていたのですが、出発が遅かったことに加え、渋滞に3つも巻き込まれ、その日は結局会えませんでした。
「エイヤ!」と乳児と一緒に旅に出たおかげで、面白い発見がありました。
”ルーティンを辞めたこと”と「ホリデーという特別な状況だからしょうがない」と思えてしまう”ホリデー特別言い訳”の魔法で、「まあいっか」と小さいことが気にならなくなりました。
例えば、渋滞に巻き込まれてミルクを温めるためのお湯がなくなってしまった時。仕方なくミルクを常温であげたところ、いつものように飲んでくれて問題がなかったり。
心配していた搾乳も、決めていた3時間ごとにできなくなったけれど、「まぁいっか」と思えるようになったり。「この子とならできる」という信頼が増したのでした。
それより何より、子供が天使並みの良い子さを発揮してくれたのです!
長時間の車の中でも、遅い時間のレストランディナーでも、比較的静かでいてくれました。もちろん何回も泣きましたが、ミルクをあげたら泣き止むことが多く、本当に助けられました。
このロードトリップをきっかけに今に至るまで、子供とたくさんの車の旅をしていますが、今思えば生後2-3カ月の乳児の時は楽だったなと思います。
息子が6−9カ月ぐらいの時が、一番難しかったです。動けないことにとても抵抗があったようで、車に乗せる度に泣きました。1歳を過ぎた今は、また落ち着いていて車の中でも飄々としています。
次回は、プーリア滞在中に訪れた街の様子を紹介します。どうぞお楽しみに!
Written by Towami(ドイツ)
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