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広東語の翻訳アプリで学ぶ!発音と文化の魅力

2024年12月2日
周さと子 (マカオ)

すぐに使える広東語の会話翻訳がついに登場!

私が最近、頻繁に利用するアプリが「Google翻訳」である。何を今さらと思うだろうが、このおかげで私の広東語の勉強意欲は右肩上がりなのだ。

というのも、Google翻訳で広東語が対応可能になったのは今年の6月から。

実は世界の広東語利用人口は、香港、マカオ、中国広州を中心に約8000万人存在する。言語利用者数で言うと、世界11位にランクイン。ちなみに日本語は9位、韓国語は13位、フランス語は14位。

広東語話者数が多いにも関わらず、最近までGoogle翻訳に掲載されなかったのは、ひとえに「体系化しにくい言葉」であるから。

Google曰く、中国の共通語である北京語に比べてデータ学習や訓練が難しかったので、対応がここまで遅くなったのだそう。

広東語は基本的に「話し言葉」であり、音に合わせて文字を当てはめる場合も多いので、人によって使う漢字が違うことがある。

また、新聞や本などの文章で使われる「書き言葉」は、会話で使う「話し言葉」とは単語や文法が異なる場合も多い。

Google翻訳の広東語が素晴らしいのは、翻訳表現が話し言葉に近く、実用的な会話に適しているということ。

広東語の翻訳サイトやアプリは他にもあるものの、書き言葉で使う硬い文章が多い。メッセージのやり取りには適しているが、会話のサポートとして使うには物足りなさが拭いきれない。

Google翻訳のさらに良いところは、声調も記載されていることである。

話したいフレーズを訳し、発音を聞いて練習してすぐ会話に使える。なんて優れもの!個人的に、広東語圏に住む外国人の神アプリだと思っている。

 

広東語習得の最大の壁は発音

私は普段から「広東語は、雰囲気で喋っている」と宣言しているが、それは100%発音の難しさのせいである。

広東語の声調は6種類あって音の高さが異なる。さらに音の長短、口の開け閉めも発音の大事な要素。

例えば、日本語では「トン」とだけ表記されそうな単語(声調・意味)を挙げてみても、

「湯(tong1・スープ)」「東(dung1・東)」「同(tung4・同じ)」「糖(tong4・砂糖)」「痛(tung3・痛い)」「凍(dung3・寒い)」。

我々日本人からしたら微妙な違いすぎて、数回、いや数十回聞いたところで、「単語の発音、どっちも同じじゃん」と言いたくなる。

違いがあまり分からないので、発音練習をサボっていると、我が家では下記のようなことが時々起きてしまう。

スーパーで買い物中、園芸用の土が欲しい私が「泥(nai4)はどこかな」と呟くと、夫が指さしたのはミルク「奶(naai5)」

「いや違うがな、花(faa1)用の泥だよ」と言うと、「じゃあこれだね」と娘が持ってきたのはエバミルク「花奶(faa1naai5)」

「泥」と言いたい私と、「奶」にしか聞こえない家族の悲劇。いや喜劇?

この20年間、発音に真面目に向き合ってこなかった私であるが、Google翻訳のおかげで発音練習のモチベーションが上がっている。すごいぞGoogle!みてろよ家族!

 

広東語は関西弁に似ている!?

広東語を話していて感じるのは、話し相手との距離が近くなるのが早いということである。

1番の理由は敬語がないからだと思うが、広東語のフランクな口調とスピード感は関西弁に通じるものがあり、格式ばったコミュニケーションになりにくい気がする。

感情表現がコミカルに聞こえるのも関西弁と似ている点かもしれない。

広東語の感嘆表現の代表格といえば、香港映画でもお馴染み、驚きや困惑を表す言葉「哎呀〜!・アイヤ〜!」

日本語訳にしようとすると「やれやれ、なんてことだ」より「やっちまったな〜」という表現が似合う。

また、驚きを表す言葉「嘩!・ワー!」は低めの声で発するので、「え〜!すごーい!」というようなテンションの昂りよりも「あんた、すごいな」という落ち着いたツッコミに近い気がする。

声が若干大きめなところも広東語と関西弁の類似点かもしれない。関西弁を使う方は、広東語習得が早かったりして!?

本場の広東語を感じたい方は、ぜひマカオにも遊びにきてください。関西との類似点を見つけながら散策するのも面白いかもしれません。

Written by 周さと子(マカオ)

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