Xin chào!(シンチャオ)こんにちは!ベトナム・ホーチミン在住のグローバルキャリアコーチYukaです。
駐在帯同で海外生活と聞くと、一見、華々しいように受け取られることもありますが、実際に夫の駐在に帯同して海外で暮らす妻たちが抱える悩みの多くが「キャリア」に関する悩みです。
一昔前は、駐在帯同の妻というと元々専業主婦の方が多かったようですが、現在は共働き家庭の一方が海外駐在となった場合に、他方が何らかのキャリア転機に直面するケースが増えてきました。
この背景には、日本全体で共働き家庭が急増し、いまや全世帯の7割を占めるまでに至っていることが挙げられます。
実際、私がこれまでシンガポール、タイ、ベトナムで出会った駐在帯同の日本人女性のほとんどが、日本では元々働いていた方々で、帯同をきっかけに休職や退職したという方でした。
そして多くの方が、日本でのキャリアをやむなく中断したことやビザや企業側の規定で働くことを継続できないことで、アイデンティティ・クライシスや帰国後の職場復帰や再就職に関する不安を抱えていました。
このように「駐在帯同パートナーのキャリアの悩み」が、特に駐在妻と言われる当事者の中では、一つの課題として認識されてきています。
その一方で、日本側の企業や現地法人、これから海外駐在を迎える方々にとっては意外と知られていないことなのかもしれないと思い、今回テーマとして取り上げてみました。
今年、「キャリアカフェ中国」という中国における駐在帯同家族をサポートする非営利団体がアンケートを実施しました。
その結果からは、帯同によるキャリアの悩みのリアルな声や今後取り組んでいくべき課題、要望が明らかになりました。
注目ポイントとしては、以下のような
・中国で就労していない回答者のうち7割が「駐在へ同行するために退職をした」と回答。
・就労意欲は高い一方、言語など不慣れな環境や、駐在員の勤め先の規制などが、現地就労をしない理由。
・同行してきた家族が望む制度や環境として、「ブランク後も働きやすい仕事の紹介」「就労や再就職に関する情報の充実」などが挙がった。
詳細はキャリアカフェ中国公式HPをご覧ください。
ここで私がお伝えしたいのは、現状の制度に対する批判ではなく、「まずはこのような声がある」ということを当事者の周りにいる方々、これから海外駐在に臨まれる方々も知っておくことは大事なことであるという点です。
一方で、中長期的な視点で捉えると、個人的には海外駐在をきっかけとしたキャリア転機は必ずしもネガティブな側面だけではないということもお伝えしたいです。
私の場合、自身の海外赴任に家族を帯同する、夫のタイ転職をきっかけに今度は自分が帯同家族として仕事を辞めて国を移るという、「帯同する側」と「帯同される側」のどちらのケースも経験しています。
キャリア転機のお陰で、従来の自分の思考パターンだけではなかなか得られない、それまでの延長線ではないキャリアを得ることができたと感じています。
私の場合、初めての海外勤務・海外生活にチャレンジしたことで悩むこともありましたが、そのお陰でコーチングに出会い、後にITコンサルからライフコーチへ転身するという大きなキャリアチェンジに繋がりました。
夫はというと、シンガポールへの帯同をきっかけにベトナムやタイでのプロジェクトに関わる機会をいただき、後にタイでの現地就職というご縁に繋がりました。
また、海外でも共働き夫婦として交互に軸足を変えながら現地就職や海外転職を進めていったことで、お互いに新たなキャリアアップの機会に繋げていくことができました。
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