Olá! ブラジル、サンパウロ州に住むHIROMIです。ブラジルでは少し前に選挙が行われました。
ブラジルに来て一番驚いたことは、国民の政治に対する関心がとても高いということ。政府への抗議デモも頻繁にあります。
選挙投票が義務付けされていることが、政治への関心と結びついているのかもしれないと思います。
選挙の投票が有権者に義務づけられている国は21カ国あり、そのうち11カ国が中南米に集中しています。
ブラジルでは、18歳以上70歳以下の識字能力のあるすべてのブラジル国民に投票が義務付けられています。71歳以上と16, 17歳の投票は自由です。
外国に住む在留ブラジル国籍者はもちろん、刑務所に収監されている受刑者も投票しなければなりません。
ブラジル国外で選挙権を持つブラジル国籍有権者は、4年に1度のブラジル連邦共和国大統領選挙にのみ投票をする義務があります。
G20サミットが行われたリオデジャネイロ
国外在住のブラジル国籍保有者は、選挙人名簿の登録申請手続きを行います。
すでにブラジル国内に登録されている有権者の場合は、選挙裁判所(通称TSE)に移転届出を直接提出する必要があります。
選挙人登録の海外移転届出を済ませていない有権者は、すべての選挙で投票する義務があります。
投票しない場合は、選挙裁判所に直接申し開きをする必要があります。ブラジル領事館および大使館は申し開きを受領することができません。
また、私のようなブラジル国籍を持たない外国人には選挙投票権はありません。
しかし、ブラジルで生まれた日本人の子どもは自動的にブラジル国籍を取得することになるので、18歳以上になったら選挙投票が義務になります。
日本国籍を持ちながら、ブラジル国籍もそのまま保持していこうとお考えの方はご注意を。
ブラジルのパスポートを申請、更新する際に身分証明書番号 (RG)を合わせた、納税者番号(CPF)と選挙権番号 (Título de eleitor)を要求されるためです。
ブラジル人は、これら3つの番号を必ず持っています。
ブラジルでは選挙投票が義務とされていますが、投票を行わなかった場合、罰金を支払わなくてはいけません。
2024年の現時点では、3.51レアル(約90円)と大きくはない金額ですが、この罰金は選挙裁判所に支払います。
「罰金」と聞いたら、「とんでもない金額を支払わないといけないのでは?」と思うかもしれませんが、ブラジルは貧富の差がとても激しい国です。
いくら貧しくても、ブラジル人として国に登録している限り、義務の投票には行かなくてはいけないのです。
罰金が高くなると、すべての国民が簡単に違反し得る対象者になってしまいます。そのため、貧困層でも支払える額が設定されているのだと思います。
また、日本に住んでいる場合の罰金は日本国内で支払うことはできません。ブラジル現地にいる家族、親族、保証してくれる友人たちに手助けしてもらい、選挙裁判所に出向いて支払ってもらわなくてはいけません。
病気や仕事といった正当な理由がある場合は、選挙裁判所で申し開きをすれば、不投票が認められます。私の夫も選挙当日に海外出張があり、選挙裁判所で手続きをしました。
3回連続で投票をしなかったり、申し開きをしなかった国民の選挙人登録は取り消されます。
選挙権番号が剥奪されると、パスポートが発行されない、銀行でお金を借りられない、大学学位記の発行などに問題が生じたり、公立大学に入学できなくなったりと不都合が生じます。
ブラジルの選挙投票の仕方ですが、投票はすべて機械で行います。
身分証明書(RG)カードに記載されているエリア番号の列に並び、「候補者の写真が出てボタンで投票」という電子投票システムを使います。
投票者数も多いですし、ブラジルは貧困となると読み書きができない人も多いため、理にかなっていると思いました。
選挙運動期間は友人知人と会う頻度を気にします。同じ立候補者を支持している場合は問題ないですが、違う場合は会わない方が良いです。会っても選挙の話ばかりになるので。
ブラジル国外にいる有権者は、選挙裁判所に申し開きをしている場合、4年に1度の大統領への投票のみできます。
ブラジル国内にいる有権者は、大統領選挙以外にも、副大統領、州知事、上院議員、下院議員、州議会議員などの投票義務があります。
立候補者には日系ブラジル人もいます。知人に何人かいるので、応援だけはさせていただいてます。
今回は日本と違うブラジルの選挙投票についてブラジル国民の考え方についてシェアしました。最後まで読んでくれて Obrigada!! (オブリガーダ!ありがとう!)
Written by HIROMI(ブラジル)