レッドカーペットが敷かれ沢山のお祝いのお花が飾られた始発のBen Tanh駅
Xin chào!(シンチャオ)こんにちは!ベトナム・ホーチミン在住のグローバルキャリアコーチYukaです。
2024年12月22日、ベトナム・ホーチミン市で国内初の地下鉄としてホーチミン・メトロ一号線が開通しました!
市の中心街にある観光地としても有名なベンタイン市場と郊外に位置するスオイティエン公園を結ぶ全長19.7km、全14駅のうち3駅が地下駅となっています。
ベトナムでは首都ハノイのメトロが2021年に開通しているのですが、地下鉄としては今回が初路線になります。
構想から約15年を経て、日本のODAや日系企業の協力のもと、遂に開通の日を迎えることができました。
メディアの報道によると、初日の利用者数はなんと15万人!当初予測の5.5倍だったそうで、多くの市民がこの日を心待ちにしていたことが伺えました。
ベトナムにおける人々の移動手段は、主にバイクです。ここ数年、自動車も増えてきたと言いますが、バイク保有率は77%と圧倒的にバイクの数が上回っています。
そんなホーチミン市民の生活が、メトロ開通によってこれからどのように変化するのでしょうか?
興味と期待を持って開通初日を迎えたホーチミン・メトロに実際に乗車してみて、在住者の視点で感じたことをお伝えしたいと思います。
始発のBen Tanh駅でメトロ乗車を待つ人々
開通から1ヶ月間は乗車無料期間ということもあり、初日朝10時からの一般開放には歴史的な瞬間を体験しようと多くの市民が駅に押しかけて、入場制限がかかる状態にまでなっていたそうです。
我が家も混雑が少し落ち着いたころを見計らって、An Phuという住宅地にある最寄駅から始発駅であるBen Tanhに向けて乗車してみました。
まず驚いたのはその設備です。日系企業の技術協力のもと進められたこともあり、駅舎のつくりから車両デザインまで、日本人には馴染みのある光景が広がっており、一気に洗練された雰囲気を感じました。
そして実際に乗車してみると、驚くほど運転がスムーズで、静かなことにも驚きました。
普段、外を移動する際にはタクシーかバイクタクシーがメインなのですが、でこぼこ道と混雑の中で鳴り続けるクラクション、土埃や排気ガスなどにまみれながらの移動のため、冷房が効いた車両での早くて快適な移動に正直感動しました。
また、いつもはなかなか見られない高い視点からの街の眺めは、それだけでも新鮮な気持ちになりました。
在住者の私たちですらそのように感じるのですから、ホーチミン市民の方々にとっては、住み慣れた街の新しい景色に心踊る気持ちだったのではないでしょうか。
さらに、メトロ一号線は始発駅に向かって途中で高架から地下に入るのですが、電車が地下に入った瞬間には「おぉ〜!!」という歓声が上がりました。
おそらく人生で初めて地下鉄を経験した人も多かったのではないかと思います。
始発駅のBen Tanhに到着すると、駅構内は乗車を待つ人々で溢れかえっていました。
地下鉄の入口付近まで乗車待ちの列ができているほどで、市民の方々の期待と興奮をリアルに感じました。
始発のBen Tanh駅への入口にはレッドカーペットが敷かれ、たくさんのお祝いのお花が飾られていました。
このように半ば遊園地のアトラクションのような盛り上がりを見せているホーチミン・メトロですが、ここから10年計画で7路線まで拡大していく予定だそうです。
今回、ホーチミン・メトロ一号線を体験してみて、そのスムーズな運行と快適さに感動しました。
また区間の運賃は7,000ドン(約43円)から20,000ドン(約124円)と既存の公共バス運賃とほぼ同等で、かなり安いです。
個人的には、バイクの方が利便性があるのでメトロはなかなか普及しないのではないかと予想していました。
しかし、開通してみると、周りの市民の方々の期待と興奮、そして自身の体験を重ね合わせて、これからさらに人口が増大していくホーチミンにおいて、メトロ開通が人々の生活に新たな動線を作り、都市発展の起爆剤になっていくことを確信しました!
国が発展していく歴史的な瞬間にその土地に身を置けていること、この喜びの瞬間を体験できたことに感謝です。そしてこれからの発展がますます楽しみです。
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Written by 大野由佳(ベトナム)