先日、日本の歌手の中島美嘉さんが韓国のテレビ番組に出演した時の動画を観ました。2003年リリースのヒット曲「雪の華」を日本語で歌う姿がYoutubeのフィードに上がってきたものです。
「雪の華」は韓国の有名歌手パク・ヒョシンさんにより韓国語でカバーされたものがドラマの主題歌として採用され、韓国での知名度と人気ともに大変高い曲となっています。
この番組内で中島美嘉さんは、「日本のテレビ番組でも歌ったことが一度もない」という『僕が死のうと思ったのは』という曲をフルコーラスで披露し、その歌声を聞いて涙を流す韓国側の出演者の様子も映されました。
この曲を歌った後、中島美嘉さんは「こういう曲こそ、言葉や国を超えて多くの人々に伝えていきたい」ということをお話されていました。
それを動画で見て思い出したのが、当地インドネシアでも人気の日本の楽曲があるということです。
(韓国の番組で歌われた 「雪の華」「僕が死のうと思ったのは」はYoutubeからお聴きいただけます♪)
インドネシアで人気の日本の歌といえば、この曲なしでは語れないという曲があります。それが五輪真弓さんの「心の友」という曲です。
1982年に発表されたアルバムの収録曲であるこの楽曲は、インドネシア人が誰でも知っていると言っても過言ではないほどの認知度です。
タクシーの運転手など、日本人のお客さんを見ると「心の友」を自ら歌いだしたり、車内の音楽プレイヤーでこの曲を流す人もいます。
80年代と古い楽曲で、日本人でも知らないこの曲をインドネシア人が急に歌ってくるので、びっくりする日本人の方も多いです。
特に今40代以上のインドネシア人のほとんどが知っている曲です。私もこの曲をまったく知りませんでしたが、今では歌えるようになりました(笑)
Kiroroの「未来へ」という曲もたくさんのインドネシア人に愛されました。
「心の友」が原曲の日本語そのままで聴かれているのに対し、この曲「未来へ」はインドネシア人歌手によりジャワ語でカバーされた曲が数年前にヒットしました。
また歌謡曲ではないのですが、「さようならのうた」も日本統治時代の流れで今でも幼稚園や学校で歌われている曲です。
歌詞は日本語とインドネシア語のミックスで、曲中繰り返される「さようなら」の部分はそのまま “Sayonara” と歌われます。
まだ記憶に新しい昨年11月に首都ジャカルタで行われたサッカーワールドカップ予選の対日本戦では、試合後負けた側のインドネシアサポーターがこの「さようならのうた」を合唱し、日本サポーターを送り、この様子が多くの日本側サポーターによりSNSに投稿されていました。
「インドネシアありがとう!」と「アウェー戦なのにインドネシアサポーターの態度が優しかった」など、ポジティブなコメントが目立ち、一つの唱歌を通じて両国のサポーター同士のコミュニケーションとなったことが、とても嬉しかったです。
世代によってどんな曲が好まれ流行するかは違うかもしれませんが、現在もアニメや映画を通して日本の楽曲はインドネシアの若い世代にもまだまだ広まっています。このような文化的交流が今後も続いていくと良いなと思います。
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Written by スパルディ杏子(インドネシア)