オーストラリアで働く人々の約10%が、職場でのいじめにあっているといわれています。
おおらかで働きやすい印象を持たれることが多いオーストラリアですが、職場いじめにより仕事に行けなくなる人たちも少なからず存在します。
今回は、オーストラリアが職場いじめに対してどんな対応をしているのかを紹介します。
オーストラリアの職場で起こるいじめには、次のようなケースが挙げられています。
・モラルハラスメント
・過度なプレッシャーや不公平な扱い
・嫌がらせや差別
・パワーハラスメント
陰口を言われたり、不可能な仕事量を押し付けられたり、不当に評価を下げられたり、特定の人種や宗教を理由にした差別など、職場いじめの形は様々なようです。
オーストラリア政府は、Fair Work Commission(フェアワーク委員会)を設置して、職場いじめの取り締まりを行なっています。
オーストラリアの各州にも、WorkSafe(労働安全機関)を設置し、職場いじめの被害者のサポート体制を整えています。
雇用主が従業員を不当に扱ったり、職場いじめの事実を知っていながら対応をしなかったり、職員からの苦情の対応を怠ったりすると、罰金や刑事責任を問われ、法的措置が取られます。
各企業や団体は、法律に則った職場いじめに対する対策を細かく記した規定の設置と、社員教育や啓発を行う義務があります。
ちなみに私が働く団体ではオンライン学習教材を使って、職場いじめに関する職員教育を行なっています。
これらの体制のおかげで、職場いじめに遭った場合の対処方法やサポート体制が明確になり、職員は安心して働くことができます。
私が職場で受けたオンライン学習でも、この「マインドセット」はいじめを受けた場合の最重要項目の一つとされています。
まずは毅然とした態度で、自分が不快感を感じていることを、落ち合いて相手に伝えることが、最初のステップに掲げてあります。
オーストラリアでは、職場で不当な扱いやいじめを受けた場合は、「声を上げる」ことが当たり前だと考える人達が多いです。
職場いじめにあっている時には、恐怖や怒りで冷静な判断ができなくなっている場合が多々あると思います。
でも、そんな状態だからこそ、ひとりで悩み続けるのではなく、適切な人や機関に相談する勇気を持つことが重要です。
いじめを行う人たちは、「彼らにとって」いじめやすそうな人たちを選んでターゲットにします。
ひとりひとりが、いじめのターゲットにならないようなマインドセットを持つことが、職場いじめを減らしていくことにも繋がると思います。
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Written by 野林薫(オーストラリア)