オーストラリアで観光ガイドとして、日本からの個人旅行のお客様をご案内することがあります。
その時にお客様からよく聞くのが、「オーストラリアで公共の交通機関を使いたいけれど、目的地に着くためにどのバスや電車に乗ればいいか分からない」という声です。
特にバスについては、「どの停留所で降りるのかが分からないから怖い」という声もよく聞きます。
最近はGoogle Mapなどを使いこなして、公共の交通機関で観光する人が増えていますが、オーストラリアの交通機関は日本のものとは少し違います。
今回は、オーストラリアのバスに焦点を当てて、日本のバスとの違いについてご紹介します。
オーストラリアでは、バス停で待っているだけでは、バスが自分のために停まってくれるとは限りません。
乗りたいバスが近づいてきたら手を挙げて、運転手に「乗ります!」という意思を示さなければ、バスは通過してしまいます。
よくあることですが、複数の人がバス停で待っていると、「誰かが手を挙げるだろう」と思い込み、結局誰も挙げないままバスが行ってしまう、という場面も少なくありません。
その結果、全員で走り去るバスを見送る羽目になります。
イヤホンを付けてスマホに夢中になっていても、バスは容赦なく走り去っていきます。オーストラリアのバス待ちは油断禁物です。
乗りたいバスを確実につかまえるには、停留所に近づくバスにしっかり注意を向けておきましょう。
私が住むシドニーでは、運転手が「次は○○です」とアナウンスすることはありません。
車内の自動アナウンスもほとんどありません。そのせいか、乗客たちは気軽に運転手に話しかけます。
「この場所に行くにはどこで降りたらいい?」「このバスで合ってる?」などと質問する光景をよく見かけます。
乗車前に、開いているドア越しに運転手と「どのバスに乗ればいいか」と話し込む人も少なくありません。
その間、乗客たちは静かに座って会話が終わるのを待ちます。
オーストラリアのバスの運転手にはフレンドリーな人が多く、勇気を出して質問してみるのもおすすめです。
オーストラリアのバスの車内では、自由に過ごす人が多く見られます。
隣に座る初対面の人や友人と大きな声でおしゃべりしたり、携帯で通話したりしている人も珍しくありません。
週末の夜のバスはパーティーさながらの賑やかさで、夜の街に繰り出す人々のテンションはバスの中から最高潮。まるでライブ会場のような雰囲気になることもあります。
そして、自由なのは乗客だけではありません。運転手も同じです。
自分のラジオで音楽を流しながら運転する運転手もいて、車内では運転手ごとに異なる音楽が楽しめます。
短時間の移動でも音楽付きのバスに当たると、気分が和らいだり楽しくなったりするものです。
オーストラリアにお越しの際は、ぜひバスに乗って地元の雰囲気を味わってみてくださいね。
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Written by 野林薫(オーストラリア)