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「自分なんて…」と思った時に読む処方箋。インポスター症候群の正体と対処法

2025年5月19日
研谷美月 (アメリカ)

自信が持てない時に現れる「インポスターシンドローム」

ALOHA! アメリカ・ハワイ州在住歴8年目となりました、Mitsukiです。

私はアメリカハワイ州で正看護師(訪問看護師)として働く傍ら、国際的に活躍したい看護師さんたちをサポートする会社BeLightの代表としても活動しています。

今回のコラムでは、最近私が感じていた、まさに「インポスターシンドローム」とも言える体験と、それにどう対処したかについて綴ります。

インポスターシンドロームとは、成功や実績を自分の実力ではなく、「運がよかっただけ」と合理化して過小評価してしまうこと。

「いつか能力がないことがバレるのではないか」「自分はこの場所にふさわしくないのではないか」と不安に思う心理状態を指します。

最近、まさしく私はそのような期間がありました。ほかの人のインスタグラムを見て比較してしまったり、「自分が本当にこの立場にいていいのか?」という考えをなかなか拭えずにいたのです。

 

不安を生む要因は外からと内からやってくる

こうした状態には、外からの要因と自分の中から生まれる両方の要因があるのでは思います。

外部からの影響は、他人から「できない」と否定されたり、心無い言葉を受けたりすることです。

一方で、内面から生まれる要因としては、自分自身に否定的な言葉をかけてしまい、そのネガティブな思考のループから抜けられないことが挙げられます。

私自身、かつて「海外へ行ってみたい」「そこで働いてみたい」という興味があったにも関わらず、さまざまな理由をつけては「できない」と自分を納得させようとしていました。

そんな時、友人に「なんでできないと思うの?」と聞かれました。私の答えは他人に責任を転嫁したり、言い訳ばかり。そこではっとしました。私は自分で自分を「できない」方向へ持っていっていたのです。

また、アメリカで看護師になるために一生懸命勉強していた時、「看護師になっても、いきなり正看護師では働けない」と言われ、落ち込んだこともありました。

まるでそれまで自分がしてきたことが、まったく無駄になってしまったかのように感じたのです。

 

コントロールできるのは、自分の思考だけ

正直なところ、他人からかけられる言葉や、SNSをはじめとするさまざまな情報をコントロールするのは難しいと思います。

しかし、「自分の思考」は変えることができます。

これは海外に出ている女性だけに限らない話ですが、「世界ウーマン」の記事を読まれている方は、住み慣れた場所を離れ、いろんなことをゼロから積み上げている方も多いと思います。

もっと上を目指したい、成し遂げたいと思うことは自然のことです。しかし、先のことばかりを見すぎると、「今この瞬間」や「これまでの努力」を見過ごしてしまう時もあります。

特に大きな変化が見えない時には、まるで自分が置いていかれているように感じることもあるかもしれません。

時にはこれまで自分が積み重ねてきたもの、そしてその上に成り立っている「今」を楽しむ、受け入れることもとても大切です。

 

「真実」は、他人が決めるものじゃない

また、他人と比べそうになった時は、「自分がどこを目指しているのか」「何をしたいと思っているのか」に立ち返ってみてください。

似たようなことをしている人たちでも、まったく同じ目標や指針を持っている人はいないはず。それぞれが、それぞれのレールを走っているだけなのです。

「看護師になっても、いきなり正看護師では働けない」と言われた時、私はとても落ち込みました。

でも、最終的に正看護師として働くことができ、その時にかけられた言葉は「真実」ではなかったと分かりました。ただ、その人にとっては「現実」だったのかもしれません。

情報があふれる中で、どこまでを自分の人生に取り込むかは、結局自分次第。

あなたにとっての「真実」は、あなた自身が見つけていくものです。

Written by 研谷美月(アメリカ)

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