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子連れ移住の現実と工夫。日本語と多言語環境のバランス術

2025年5月30日
宮下なみ子 (ジョージア)

「暮らしの中に、学びを。」がテーマのミニマルマップ。英語と日本語が併記されています。

自分で選び、自分で育てる。「うちの育て方」が見えてきた5年目の節目

こんにちは!グラフィックデザイナーの宮下なみこです。

娘と共にジョージアに暮らしていましたが、次のステップとしてスペインへの移住が決まりました。今、スペインへ向かう飛行機やバスの中でこのコラムを執筆しています。

早いもので海外暮らしも5年目。「こうしたいな」と抱いていたビジョンのいくつかは実行でき、少し振り返られるくらいの年月を進めたと感じています。

今回、ジョージアとスペインの間の節目として4ヶ月間日本に滞在しましたが、これも目標の一つでした。ある程度海外暮らしに慣れたら、中期で日本に暮らしてみたいと思っていたのです。

今回のコラムではこれまで育児で経験したことや、現時点での私見を綴ります。

10年前、「いつか子どもと海外で暮らしたい」と思っていた頃、私はシンプルな世界地図のポスターをデザインしました。

それが今も続く私のプロダクト「ミニマルマップ」の始まりであり、自分自身の人生の方向を少しずつ切り拓いていく旅のスタートでした。

「地図を持たぬ者は、他人の地図に従うしかない」

アメリカの作家であり起業家のクリス・ギレボーの言葉にあるように、自分のビジョンを持たなければ、誰かに従って生きることになります。

私はこのシンプルな地図を毎日眺めては、その余白に想像の翼を広げました。未来を思い描く習慣を身に付けてから、自分の人生が始まったように思います。

 

海外育児の共通の悩みとは?子連れ海外生活の現実

ジョージアのインター校での授業風景。ビジネスの授業では、バザーでお金のやりとりを学びました。

国際結婚の人、勤務先の辞令で家族で移住した人、そして私のように自分で住む国を決めて子どもと移住した人。

このように海外子育てと一言で言っても事情はさまざまですが、共通のテーマとして「子どもの日本語教育をどうするか?」という悩みがあります。

日本に住みながら英語を習得するのが難しいのと同じように、異国に住みながら日本語を覚える・維持するというのは大変です。

駐在員の方の中には「いつ日本に帰国するか分からないから」と、日本人学校に通わせる家庭も少なくありません。

インターナショナル校に通わせる家庭もありますが、週末に日本語教室に通ったりして日本語キープの努力をしている話をよく聞きます。

我が家のケースでは、ジョージアには日本人学校はなく、インターナショナル校が数校あるだけでした。

しかもインターとは名ばかりで、実際はジョージア語率80%以上。学校からの事前説明では英語比率50%以上と思っていたので戸惑いました。

困惑しつつも学校に通い始めると、娘たちはジョージア語をぐんぐん覚えました。特に当時年長だった次女は持ち前の社交性も相まって、そのスピードは目を見張るものでした。

しかし同じくらいのスピードで、ひらがなもカタカナも忘れていきました。

もう少し英語環境だと思っていたのに、思ったほど英語は使われず、日本語も当然伸びない。伸びないどころか忘れていく。

「全部が遅れていく…」そんな焦りに呑み込まれました。

次のページ「やっぱり日本に帰りたい」壁にぶつかるたびに後ろ向きな考え方に

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