先週の水曜日、6月5日に長男の大学の卒業式が行われました。
天気予報は雨。セレモニーは屋外とのことだったので、せっかくの卒業式なのに……と心配しましたが、私の心配とは裏腹に快適な気温で、心地良いそよ風の吹く、パーフェクトな初夏の日に恵まれました。
卒業生の名前が呼ばれるたびに観客席から拍手と歓声が上がり、参加者全員が喜びに満ちた素敵なセレモニーとなりました。
長男の大学までは2時間の道のり。過去5年間の数々の場面が脳裏に浮かび、車に揺られながら感慨深い気持ちになりました。
今回は、息子の成長、そして親として感じたことや学んだことを共有します。
息子が高校を卒業したのは、コロナ真っ只中の2020年でした。高校の卒業式はキャンセルされ、大学もオンライン授業でスタートしました。
カナダでは、大学入試試験に当たるものはありません。
学科によってはポートフォリオや面接が求められることもありますが、基本的には希望校を3校まで出願でき、高校の成績表と出願書類(質問への回答形式のエッセイなど)を提出し、審査を受ける形です。
その意味では、SAT(大学を申請するための実力テスト)の点数が求められるアメリカと比べ、比較的大学に進学しやすいと言えるでしょう。
長男は、我が家から2時間ほど離れた工業大学に進学しました。
コロナがなければ学生寮に住んでいたと思いますが、オンライン授業だったため、その必要はありませんでした。二年目もオンラインクラスが中心だったため、在宅のまま継続。
三年目にはオンラインと対面のクラスが半々になり、学生寮を申請しましたが、学費を含めた年間費用が最低25,000カナダドル、学費のみと比べて約2.5倍になることが分かり、長男は往復4時間以上かけて通学することを選びました。
朝8時から始まるクラスが多く、その場合は5時起き。夜8時過ぎに終わるクラスもありました。
家から1時間ほど離れたバスターミナルから学校までバスで通学。夜8時までクラスがある日は、私か夫が夜10時過ぎにバスターミナルまで迎えに行き、帰宅は真夜中近くになりました。
コロナ禍でも学生寮に住む人もいましたが、通学のメリットは、大学費用を大幅に削減できたことです。
私たちが用意していた教育資金は約1年分の学費のみ。残りの学費は息子たち(次男も含む)が夏休みにフルタイムで働いた収入と学生ローンで賄ってきました。
通学を選んだのも、最終的に莫大なローンを抱えることを避けるためでした。
学生寮やアパートに住んだ場合、最低でも5年間で125,000カナダドルが必要でしたが、通学によりその半分の費用で済みました。
本来ならゆっくり休める夏休みも、毎年5月から9月の新年度が始まるまで休みなく働いた長男。朝6時半スタートのシフト、夜のシフトは深夜2時まで。
苦労しながら通学を続けましたが、自立心と責任感を育む訓練となり、大きな成長が見られました。
働く大変さを身をもって体験でき、無駄遣いせず、お金を慎重に使う習慣が身に付いたことも大きな収穫です。
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