Xin chào!(シンチャオ)こんにちは! ベトナム・ホーチミン在住のグローバルキャリアコーチ、大野由佳です。
ベトナム現地企業で働き始めて2か月が経ちました。若い世代を中心にした活気あふれる職場に、日々刺激を受けています。
以前のコラムでもお伝えしたとおり、ベトナムは女性の就業率が非常に高く、私の職場でも社員の約半数が女性です。
コンサルタントという専門領域に属する私のチームでは、男性リーダーを除いて全員が女性。その中でも特に印象的なのは、子育てをしながら働くママたちの存在感の大きさです。
20代後半から30代前半の女性社員が多く、未就学児を育てながらフルタイムで働く人も多数います。しかも、皆が育児中とは思えないほどエネルギッシュに働いていて、プロジェクトの中核も担っています。
同じプロジェクト内で「産休リレー」が自然に行われることもあります。誰かが産休に入れば、別のメンバーがフォローし、半年後には復帰して元の業務に戻る。この流れがすっかり定着しているのです。
本人も周囲も「戻ってくるのが当たり前」と捉えているため、産休前後の不安や遠慮が少ないのも印象的です。
日本では復帰後の働き方や評価を気にする声も少なくありませんが、ベトナムでは「働くことと子育ては両立できる」という前提が職場に根付いているように感じます。
ベトナムでは出産後6か月の産休が法的に認められており、社会保険から給与が支給されます。
子どもが1歳になるまでは1日60分の短縮勤務が可能で、給与も全額支給される制度です。
さらに、都市部では公立・私立の保育園が充実しており、待機児童も少ないため、比較的スムーズに保育園を見つけられる環境が整っています。
加えて、祖父母による育児支援も文化として根強く、三世代での子育てはごく自然です。
一方、都市部に出てきた若い夫婦の中には、両親が近くにいないケースも多く、そうした家庭ではナニーや家事代行などの外部サービスを活用して生活を支えています。
「自分一人で抱え込まない」「助けを求めるのが当たり前」という価値観が、社会に浸透していることも印象的でした。
制度も環境も柔軟で、文化的にも寛容。そんなベトナムの職場にいても、「育児をしながらのキャリア形成」は簡単なことではないという声も耳にします。
特に、働くママのロールモデルがまだ少ないことが課題として挙げられています。
「この先、どうやってキャリアを築いていけばいいのか」「子どもの成長に合わせて、自分の働き方をどう変えていけばいいのか」といった悩みは、ベトナムでも日本と同じように存在しています。
私自身も子育てをしながら働いてきた経験があることで、現地の若手女性社員から「どうやって今のキャリアにたどり着いたの?」と興味を持たれることが増えました。
完璧である必要はなく、その時々の環境や優先順位に応じて柔軟なキャリア選択をしてきた道のりを伝えると、「励みになる」と言ってもらえることもあります。
育児とキャリアの両立に迷いながらも前を向く姿は、国を超えて共鳴するものがある──そんなことを日々感じています。
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Written by 大野由佳(ベトナム)