
こんにちは!北村ゆかりです。現在はアメリカのフィラデルフィアとニューヨークを拠点に美容師として活動しています。日本に一時帰国した際にもサロンワークをしています。
私は子どもの頃からの夢だった美容師になり、関西のサロンで9年間働きました。イベントや撮影現場のヘアも担当させてもらい、仲間とともにやりがいのある日々を送っていました。
そんなある日、美容師3年目でロサンゼルスを訪れる機会がありました。
空港に降り立った瞬間から、空気の乾いた感触や光の強さ、街並みや人の雰囲気など、すべてが新鮮で心が動かされました。
「ここで暮らしたら、どんな毎日になるんだろう」「アメリカで美容師をしたら、どんな感じなんだろう」。そんな想いが芽生えました。
その後、再びロサンゼルスを訪れたことで、漠然としていた気持ちが、より具体的な夢へと変わっていきました。

とはいえ、実際に海外で生活することは、簡単に決断できることではありませんでした。
日本で積み重ねてきた仕事やお客様との関係を手放すことは、私にとって大きな挑戦でした。
でも、「やらなかったことへの後悔」を将来抱えるのが怖くて、完璧な準備が整っていたわけではありませんでしたが、「まずは行ってみよう」と思い切って一歩を踏み出しました。
なぜか英語が話せないことに対しては、あまり不安を感じていませんでした。
家もない、知っている人もいない、英語も話せない、そんな状態でしたが、インスタグラムで働きたいサロンに直接連絡を取り、就労ビザを取得して渡米しました。

アメリカに飛び込んだ私の背中を押してくれた一冊があります。キャロル・S・ドゥエック著『マインドセット 「やればできる!」の研究』です。
私を励ましてくれたのが「失敗は成長のチャンスである」という考え方。私はもともと挑戦したい気持ちは強いけれど、怖がりな性格です。
「失敗したらどうしよう」「うまくいかなかったら恥ずかしい」と悩んで、動けなくなることも多くありました。
でも振り返ると、そんな私でも、やりたいと思ったことには少しずつ挑戦してきたように思います。
渡米後は、戸惑うことも思うようにいかないことも多くありました。
たとえば、英語が話せないままアメリカに来たので、「変なことを言ったらどうしよう」と人と話すことが不安でした。
でも、「単語だけでも伝えよう」と少しずつ話しかけるうちに、通じる喜びが生まれ、自信につながっていきました。その一つ一つの経験が私を少しずつ強くしてくれました。
本の中で紹介されていた「固定マインドセット」と「成長マインドセット」という考え方にも支えられました。
「能力は決まっている」と考えるのではなく、「努力や経験で伸ばせる」と信じる姿勢が、人を本当に成長させるのだと実感しました。
挑戦するのは怖い。でもそれは、自分に伸び代がある証拠です。怖さの中にこそ、自分の成長のヒントが隠れていると思います。

「あの時、とりあえず行ってみよう」と踏み出した自分を、今では心から褒めてあげたいと思います。
アメリカにはさまざまな価値観を持つ人がいて、言葉や文化が違っても、美容を通じてつながることができる。そのことに感動する毎日を送っています。
私は「アメリカで働く」という夢を叶えたことで、新たに「こうしてみたい」という次の目標が生まれ、そこに向かってまた進み続けています。
「やってみたいけど不安」「自信がないけど挑戦したい」と感じている方へ。
やりたいという気持ちがあるなら、迷っていても大丈夫!怖がりでも、少しずつでも動き出してみてください。
動き出してみることがきっと自分の成長につながります。「やればできる」と信じられる自分になれるはずです。
その先には、想像もしなかった景色や人との出会い、自分の新しい一面が待っているかもしれません。
私の経験が少しでもあなたの応援になればうれしいです。
Written by 北村友香里(アメリカ)