
Olá!! ブラジル・サンパウロ在住のHIROMIです。今年2025年は、日本とブラジルの外交樹立130周年です!
1895年11月5日、パリでの「日伯修好通商航海条約」調印を起点とし、正式な国交締結から130年の節目となります。
1908年の最初の移民以来、現在ではブラジルに約270万人の日本人が住んでいます。日本には約21万人の在日ブラジル人が暮らし、世界最大の日系社会を築いています。
1950年代〜70年代には、日本の投資・技術協力による鉱山・製鉄・紙パルプなどのプロジェクトが推進され、現在も農業、防災、デジタル、環境・気候変動などの分野で連携が続いています。
また、日本食やお祭り、アニメ・漫画が広く根付き、日本ではブラジル音楽やダンスが人気です。オリンピックも両国の交流を活性化させています。
今年は「日本ブラジル友好交流年」として、さまざまな式典や文化交流が行われています。
1月16日には、日本とブラジル両政府が公式ロゴを発表しました。
「外交関係樹立130周年」の年として、歴史的な条約調印から今日に至る日本・ブラジルの密接な交流と協力を祝う一年として、経済・文化・教育・スポーツなど多岐にわたる取り組みが実施されています。
特に、次世代・女性の参画を重視しながら、未来への新たな関係構築を目指しています。

ブラジル日本文化福祉協会の大講堂での歓迎式典にて
2025年6月、第130周年を祝う公式訪問として、秋篠宮家の次女・佳子さまがブラジルへ渡航され、サンパウロで移民記念碑を参拝し、リオやブラジリアなど各州での式典や大統領主催の行事に参加されました。
佳子さまの訪問は、日伯関係の「戦略的グローバル・パートナー」としての絆を再確認し、さらなる人的・文化的交流を促進する契機とされています。
サンパウロにおける唯一の邦字新聞「ブラジル日報」の公式YouTubeチャンネルでは、佳子さまの行事での姿を多くのブラジル人が視聴し、チャンネル登録者数が急増し、収益化に繋がりました!
6月6日午前、佳子さまは、サンパウロのブラジル日本文化福祉協会(文協)の大講堂で、日系社会の代表や約1000名の参加者を前にした歓迎式典にご出席されました。
私も出席し、日本とブラジルの国旗がデザインされた旗を持って歓迎しました。
式典では、君が代とブラジル国歌の斉唱に続き、佳子さまがスピーチされ、「さまざまな困難に直面しながらも努力を重ねてこられた」と、長年努力してきた日系人の労をねぎらわれました。
式典後、最前列にいたお年寄りの方々と握手や抱擁を交わされ、ハイタッチなど温かな交流が行われ、感動で涙された方もいらっしゃいました。
このように盛大な歓迎の中、日系社会との心温まる交流が実現しました。

サンパウロのブルーツリー・プレミアム ファリアリマにて
ブラジルと日本の外交樹立130周年を記念して、4月17日にはジャーナリストのタイガ・ゴメス氏による講演会が開催されました。
テーマは「Beyond Expectations – A Fascinant Union between Tradition and Modernity in Japan(日本の伝統とモダニティの魅力的な融合)」。
この講演会には日本国首席総領事の小室千穂氏も出席し、ブルーツリーホテルズは日伯間の文化・経済関係強化への姿勢を示しました。
講演は私の演奏で始まり、日本社会の公共精神や環境意識、秩序と持続可能性への配慮が紹介され、参加者約100名が文化的理解を深めることができました。
このように、サンパウロのブルーツリーホテルでも外交樹立130周年を祝う文化的プログラムが行われ、日伯の絆を深める一助となりました。

当初のデザインはセクシーすぎて無理!という参加者たちの希望が叶ったのか、完成した衣装は誰でも無理なく着れる衣装に
また、10年前の120周年の年には、東日本大震災への感謝と日本文化の発信という意味合いが込められた文化外交の象徴として、私の故郷青森県五所川原市の「立佞武多(たちねぷた)」が、ブラジル・サンパウロのサンバカーニバルに特別参加しました。
名門サンバチーム「アギア・ジ・オウロ」のパレードに、「日本」を代表する要素として出展されました。
青森県五所川原市が所有する作品「鹿嶋大明神と地震鯰」は、東日本大震災復興祈願の意を込めてブラジルへ搬送されました。
高さ約15メートル、総重量約5トンの山車を15分割し、清水港から約1か月半をかけて海上輸送され、2015年1月7日にサントス港へ到着。現地で五所川原から派遣された職人により組み立てられました。
サンパウロのカーニバルに外国の山車が出展されたのは史上初で、内部から発光する巨大提灯のような構造は、サンバの華やかさとは異なる「和の光」で会場を圧倒しました。
パレードは約3500人規模で、立佞武多1基を含む全5基の大型山車が登場。「親善大使」役として元サッカー日本代表監督ジーコ氏も参加しました。
立佞武多の山車チームは、コシノジュンコ氏デザインの衣装を身に付けて行進。女性用衣装を着た人たちは全員、ジュンコ氏のボブヘアーに似たウィッグを着用し、その姿に私自身も鏡を見て驚いていました。
観客からも大きなインパクトがあったと思います。まるでアバンギャルディが100人集まったようでした。
また、コシノジュンコ氏は「Hanabi Matsuri(花火祭り)」の花火ショー演出も担当しました。
2015年9月12日、サンパウロのインテルラゴスF1サーキットにて約20分間、合計4500発の花火が打ち上げられました。
当日、私は夫の会社のゲストとして参加し、雨が降り始めたことで無事に打ち上げられるか心配していたのを覚えています。
ジュンコ氏の演出では、自らデザインしたオペラ花火「蝶々夫人」を展開し、最後に美空ひばりさんの「川の流れのように」に合わせて空を彩りました。
音楽も日本とブラジルをミックスし、両国の友好と文化交流を象徴する内容で、とても楽しい一日でした。
2025年の130周年記念イベントは、まだまだ続きます!私も各地で演奏やイベントに参加する予定なので、引き続き楽しんでいこうと思います。
※2011年3月、日本の震災被災者に対し、ブラジル政府は50万米ドルを日本赤十字社を通じて提供し、被災地での緊急支援に寄与しました。政府としても哀悼と連帯の意を表明しています。

代々木公園で開催されたFestival Brasil & Latino 2025、youtubeより抜粋
最後に、ブラジル各地で開催されている主な記念イベントは下記の通りです。
・日伯大学総長サミット(University Rectors’ Summit)
2025年1月31日、サンパウロ大学にて開催。日伯両国から大学総長や関係者約60名が参加し、サイバーセキュリティ、AI、気候変動、クリーンエネルギーをテーマに、研究・教育面での連携強化を議論しました。
・グローバルガバナンス/環境・気候ウェビナー
3月27日、FGVリオ校主催のウェビナーでは「地球ガバナンス・気候アクション」などをテーマに、専門家が知識と政策連携を討論しました。
・日伯経済フォーラム(Economic Forum)
3月26日、東京のホテルニューオータニにて、JETRO・日経連とCNI共催。84件のMOUが署名され、エネルギー、環境、バリューチェーンなど多分野での協力深化が確認されました。
・CEBRI講座シリーズ(Cultural & Environmental Lectures)
3月18日より、リオ総領事館と日本ハウス・サンパウロの支援で講演会が開催され、日本の戦略・経済・環境への取り組みを紹介し、COP30など将来協力への視点が共有されました。
・文協主催の邦楽コンサート
6月8日、文協ビルにて箏奏者 北原民江氏らによる邦楽演奏会「春の海」などが開催されました。
・Festa Junina(フェスタ・ジュニーナ)
7〜8日の週末にリベルダーデ地区で、静岡・岐阜ほか県人会合同のブラジル式6月祭が実施されました。
・グルメイベント「ジンギスカン」
6月7日、文協ジャカレイ分会にてジンギスカン(羊肉)を楽しむ食イベントが実施されました。
・アート展示「Yūgen–Inspiração Originária」
6月8日まで岡山県人会にて、滝田クラウジオ氏による現代ポップな日本文化アートの展示が行われました。
・邦画上映会「Bunkyo Cinema」
文協ビルにて成瀬巳喜男監督作品『あらくれ』などの映画上映とバザーが開催されました。
・Festival Brasil & Latino 2025(東京・代々木公園)
7月19〜20日、ブラジル商工会議所主催。サンバ、カポエイラ、ブラジル料理、文化市場などが楽しめる都内最大のブラジル系祭典。
・Road to Latin America Festival(東京・お台場)
5月3〜5日、ブラジル友好交流年の一環として、音楽・ダンス・グルメなどを紹介するラテンフェスが開催されました。
・「130マイクロインタビュー」動画投稿企画
日本大使館が主催し、両国民が30秒で友情の思いを語る動画を収集。Instagramなどで公開されています。
サンパウロをはじめ、日本国内でも記念イベントが幅広く実施され、交流と理解がさらに深化しています。最後まで読んでくれて、Muito obrigada!
Written by HIROMI(ブラジル)