
国際結婚を選ぶ人の中には、子ども時代に親から十分な愛情や承認を得られなかった「アダルトチルドレン」の傾向を持つ方が少なくありません。
私はカリフォルニアでセラピストとして活動し、多くの方の相談を受ける中で、このテーマに向き合ってきました。
親から必要な愛やサポートを十分に得られなかったと感じると、「ここではないどこかに行けば、自分の居場所があるはずだ」と信じやすくなります。
例えば、「アメリカ人なら愛情表現が豊かで、結婚後も異性として大切に扱ってくれるはず」「きっと温かい家族を築けるはず」といった理想を抱きやすいのです。
しかし、現実のパートナーは必ずしも理想通りではありません。期待が大きい分、失望や怒りに変わり、喧嘩やすれ違いが増えてしまうこともあります。

このように、アダルトチルドレンとして生きてきた方は、恋愛や結婚において相手に自分を認めてもらうことで安心感を得ようとしがちです。
同時に、自分が育った環境とはまったく違う世界への強い憧れを抱いていることも珍しくありません。
幼少期に十分に愛されている感覚が薄い人ほど、異文化のパートナーに安心や愛情を強く求めがちです。
異文化のパートナーとの暮らしは刺激的で、「自分の居場所を見つけた」と思える一方で、心の不安や欠落感を映し出す鏡にもなります。
すれ違いが起きた場合、「文化が違うからうまくいかないのか?それとも自分が悪いのか?」と悩み、自信を失い、相手に合わせすぎたり自分を抑え込む傾向が強まります。
たとえそれがうまくいかない関係であっても、失うことが怖いからです。時には、苛立ちから相手にきつく当たってしまうこともあるでしょう。

こうした傾向に気づき、自分を理解することは、国際結婚をより健やかに続ける大きな力になります。
「アダルトチルドレン」の背景を知ることは、自分を責めるためではなく、自分の感情に向き合い、安心感を育てる第一歩です。
辛い時、話を聞いてもらいたい時、「大変だったね」と受け止めてもらいたかった時。
受け止めてもらえなかった経験があると、「感情を出すと否定される」「攻撃される」と学んでしまい、感情表現そのものが怖くなっても不思議ではありません。
否定されることや攻撃されることを恐れるあまり、きちんとNoを言うことができない、意見を言えず相手に誤解されてしまう、すぐに言い合いになってしまう、つまるところ自分がどうしたいのかも分からなくなる、ということも起こります。
自分がなぜこのように考えるようになったのかを理解し、自分の感情やニーズを受け止めること。それが「本来の自分を取り戻す」ために欠かせないプロセスです。

このたび、私は『国際結婚で見失った私を取り戻す本』を出版しました。国際結婚で揺れる心や自分らしさを見失いそうな時、どうしたらいいか分からなくなった時に役立つヒントをまとめています。
【このような方に向けて書きました】
・国際結婚をしたけれど、夫の機嫌を伺ってしまう
・夫に頼りきりで、このままでいいのか悩んでいる
・海外での結婚生活に孤独を感じている
・自分はアダルトチルドレンだと感じる
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Written by 佐古祐子(アメリカ)