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女子野球の未来を切り拓く!里綾実選手カナダ挑戦記

2025年10月13日
Yoko van Veen (カナダ)

Photo Credit: Craig Aikin

カナダの男性野球リーグでプレイする初の女性選手は日本人!

今年の春、女子野球界で「世界史上最高の投手」と評価され、ワールドカップでは日本チームの6連覇に大きく貢献した日本人投手・里綾実選手が、ここカナダにやってきました。

100年以上の歴史を誇るカナダの男子野球セミプロリーグと契約し、プレーをするためにはるばる日本から訪れたのです。

初の女性選手登録、しかも日本人ということで、こちらでは大きなニュースとなり、多くの注目を集めました。

そしてラッキーなことに、私はシーズン中、里選手の通訳として微力ながらお手伝いさせてもらいました。

その注目度の高さから、多くのメディアインタビューに同行したのを覚えています。

キャリアや成績にとどまらず、「なぜカナダに来ることにしたのか」「女性が男子の中でプレーする意味は何か」という同じ問いが、何度も何度も彼女に投げかけられていました。

それでも嫌な顔一つせず、すべての質問に真剣に答えていく里選手。

マウンド外でもプロの姿勢を貫く姿、野球を知ってもらいたいという努力や、早くカナダでの生活やチームに慣れたいという気持ちを丁寧に言語化していく姿に、毎回感心していました。

 

国や性別を越えての挑戦

Photo Credit: Craig Aikin

彼女はいつも落ち着いていて、プレーだけでなく言葉にも力があり、熱い思いを語っているのを聞いている時は、横にいながら胸が何度も熱くなったのを覚えています。

今回の挑戦は自分一人のためではなく、後に続く若い世代のためでもある。その背景を理解しているからこそ、私もまた、彼女の声を多くの人たちに届けたいと強く思いました。

開幕式の日、里選手のデビューを一目見ようと、3,000人を超える観客が詰めかけました。

大観衆の前で、彼女は堂々と先発投手としてカナダでの第一歩を踏み出し、その瞬間はまさに歴史に刻まれるにふさわしいものでした。

里選手の姿は、異国の地で挑戦するすべての日本人、そして多くの女性たちに勇気と希望を与えてくれました。

その歩みを間近で見守り、ときに言葉をつなぐ通訳として寄り添えたことを、心からうれしく思います。

 

女子スポーツのますますの盛り上がりに期待

左:Photo Credit: Craig Aikin 右:ドキュメンタリー映画『SEE HER BE HER』

彼女の挑戦はまだ終わりではありません。来年、アメリカで開幕する女子プロ野球リーグで、選手としてプレーすることが発表されました。

これからも世界的な舞台で女子野球を牽引していくことでしょう。

女子野球、そして女子スポーツ全体がますます盛り上がりを見せることを、心から願っています。

今回のコラムを通じて、一人でも多くの方に女性たちの偉大な挑戦の物語を知っていただけたなら幸いです。

里選手の活躍はこちらから見られます!
インスタグラム@sato_18@sato18.official

里選手をはじめ、女子野球選手の挑戦を描いたドキュメンタリー映画『SEE HER BE HER』は、アマゾンプライムで視聴可能です。

Written by ファンフェーン庸子 (カナダ)

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