MENU

マレーとタイが交わる街、ハジャイで感じた国境の面白さ

2025年10月15日
土屋芳子 (マレーシア)

KLから1時間のフライト。食べ歩きの街ハジャイへ!

10月の子どものスクールホリデーに、クアラルンプールから気軽に行ける近場の海外を探していて、タイのハジャイ(Hatyai)に行きました。

ここはタイの南、マレーシアとの国境から車で1時間ほど北に上がったソンクラー県の街で、タイ南部最大の商業都市として知られています。

観光客はショッピングやグルメを目的に訪れます。

マレーシアからは車で訪れる人も多く、電車も通っています。私は今回、クアラルンプールから飛行機で約1時間のフライトで到着しました。

タイと聞くと、どんなイメージを持ちますか?

バンコクの活気ある都会の雰囲気や、プーケットなどのビーチリゾートを思い浮かべる方が多いでしょう。私もそうでした。

だからこそ、ハジャイを訪れて、これまでのイメージとはまったく違う街並みに驚きました。

 

入り混じる文化「ここはどこ?」

左上:中国寺院 右上:賑わうマーケット 左下:ヒジャブ姿の女性達 右下:タイの有名デザート、マンゴースティッキーライス

空港から車で30分ほど走ると街の中心部に到着。昔懐かしい商店街のような通りに、カラフルで年季の入った建物がずらっと並んでいます。

市場やナイトマーケット、食べ歩きが有名な街なので、小さなストールやレストラン、マッサージ店、セブンイレブンが至るところにあります。

特に目を引いたのは、多くのムスリムの人々とハラル対応の店舗の多さでした。まるでマレーシアのよう。

屋台では、タイらしい豚肉の煮込みや腸のグリルの隣で、ウォータープラウンのグリルやフライドチキン、ココナツアイスやマンゴースティッキーライスを売るヒジャブ(スカーフ)姿のムスリム女性たちの姿がありました。

ここは本当にタイなのかと思うほどで、しかしナイトマーケットの熱気や照明の感じは昔の香港そっくり。

自分がどこにいるのか分からなくなるような文化のミックスを感じました。

国境に近いというのは、こういうことなのですね。

 

ハジャイにムスリムが多い理由

左:国境の街ハジャイの位置 右:市街地

私が長く住んでいたジョホールバルも、シンガポールとの国境の街です。多くのシンガポール人が買い物や食事を楽しみに訪れます。

ただ、外見が中華系マレーシア人と似ているため、文化の違いをそこまで強く感じることはありません。

一方、ハジャイでは「タイなのにムスリムマレーシア人(実際にはムスリムタイ人)」が多く、不思議な感覚を覚えました。

調べてみると、「かつてハジャイ周辺はマレー系のイスラム王国『パタニ王国』(14〜18世紀ごろ)の影響下にありました。

その後、19世紀にタイ王国(当時のシャム王国)の支配下に入りましたが、住民の多くはイスラム教を信仰し続けました。政治的にはタイの一部でも、文化的にはマレー=イスラム圏に近い地域」とのこと。

地理的な近さ、マレー系イスラム王国の歴史、そして現在も続く活発な交流が重なり、このようにムスリム人口が多いのでしょう。

ソンクラー県では、約4人に1人がムスリムで、残りは仏教徒だそうです。街にはモスクのほか、巨大な中華風寺院ワット・チューチャーンもそびえています。

 

のんびりと食べ歩きを楽しむ

街の中心部は、15分も歩けば端から端まで行けるほどの規模。

タイレストランで家庭料理(写真左下)を楽しんだり、老舗の中華レストラン(写真右上)で食事をしたり。

朝食にはタイの国民食カオマンガイ(写真左上)や、トムヤムワンタン麺を味わいました。ライスがチキンの形をしていて可愛かったです。

観光名所が少ないからこそ、のんびり過ごせた3泊。

国境近くの街には、文化が交わる面白さがあります。

※企業のマレーシア進出のための視察コーディネート、調査などをオーダーメイドで承っています。また、マレーシアでの飲食店向けPR、SNSマーケティングも承っています。お問い合わせはインスタグラムからお願いします。

Written by 土屋芳子(マレーシア)

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ