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ブラジル人と日本人が国際結婚するために必要な手続きや注意点【前編】

2025年10月27日
HIROMI (ブラジル)

国際結婚の手続きは大変!?

Olá!! ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。これまで私は、ブラジル人との恋愛事情などについて書いてきましたが、今回は「結婚」についてお話しします。

私の場合は日本で、日本国・ブラジル国・イタリア国の3カ国に婚姻届を提出しています。イタリア国にも届を出しているのは、夫がイタリア系ブラジル人でイタリアにも国籍を持っているからです。

当時を思い出すと、夫が忙しかったため、平日に自由に動ける私が何度も外務省へ書類の手続きに出向き、とても大変でした。

「もう国際結婚の手続きは懲り懲りだ」と思ったものです。

さて、ブラジル人と国際結婚するには、どちらの国で結婚するか(日本またはブラジル)によって、必要な書類や手続きが少し異なります。

今回は、ブラジルでの結婚手続きについて詳しくご紹介します。

 

日本人とブラジル人が、ブラジルで結婚する場合の流れと必要書類

結婚手続きの全体の流れ

①必要書類を日本とブラジルの両方から集める

②書類をポルトガル語に翻訳し、アポスティーユ認証を受ける

③二人で最寄りの市民登録役場(Cartório de Registro Civil)に行き、婚姻手続きの許可申請(Habilitação de Casamento)を提出

④公告期間(Publicação dos proclamas)約15日間、結婚予定を公に掲示し、法律上の障害や婚姻の妨げがないか確認

⑤結婚式または公証人(Oficial do Cartório)の前で誓約・署名をして正式に婚姻成立

⑥結婚証明書(Certidão de Casamento)を取得

⑦結婚後3か月以内に在ブラジル日本国大使館または領事館、または日本帰国後に日本の役所に婚姻届を提出。「婚姻届受理証明書」または「婚姻届記載事項証明書」を日本語訳して提出すれば、日本でも正式に婚姻が認められます。

 

日本人が用意する書類必要な書類

これらはすべて、日本から持参するか、在ブラジル日本大使館または領事館で取得します。

①パスポート

②出生証明書(戸籍謄本)
・外務省でアポスティーユ(Apostila de Haia)を付ける
・ポルトガル語に翻訳(公証翻訳 Tradução Juramentada)

③独身証明書
・日本の市区町村役場で発行(戸籍謄本で代用される場合も)
・翻訳+アポスティーユが必要

④犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)
・日本の警察(警察庁経由)で発行
・ブラジルで使う場合は、在日ブラジル大使館または領事館の認証、日本の外務省でアポスティーユを付ける

⑤在ブラジル日本大使館(または領事館)が発行する婚姻要件具備証明書
・「日本の法律上、結婚できる状態にある」ことを証明する書類
・申請には戸籍謄本などが必要

⑥ブラジル側の身分証明書
・RG(身分証)またはCPF(納税者番号)と出生証明書(Certidão de Nascimento)

 

準備する際の注意点とポイント

日本で発行された戸籍謄本・独身証明書・犯罪経歴証明書などは、外務省でアポスティーユ認証を受け、ブラジルで公証翻訳(Tradução Juramentada)するのが必須です。

よくあるミスとして、アポスティーユ部分を翻訳しておらず無効扱いになるケースがあります。

また、ブラジルでは多くの書類が「発行後90日以内」である必要があります。書類の日付が新しいものかどうか厳しく確認されるため注意しましょう。

市民登録役場によって、要求される書類や翻訳の厳しさが異なることもあります。

たとえば「出生証明書不要」と言われる役場もあれば、別の場所では「必須」とされる場合もあります。翻訳者を「特定州登録の翻訳士限定」と指定する場合もあるので事前確認が必要です。

日本人がポルトガル語を理解できない場合、通訳者(Intérprete Público)の立ち会いを求められることがあります。

ポルトガル語に不安がある場合は、通訳を同行するか、事前に「通訳が必要ですか?」と役場に確認しておきましょう。

費用にも差があり、役場によって手数料が異なりますが、サンパウロ市内ではだいたいR$400〜R$800前後。公証翻訳は1ページR$80〜150程度が目安です。

費用はかさむため、見積もりを取るのがおすすめです。

手続き前に必ず電話か直接訪問して、“Quais documentos são necessários para casamento com estrangeiro?”(外国人との結婚で必要な書類は何ですか?)と確認しておくと確実です。

 

ブラジルでの婚姻は時間に余裕を見ておくと安心

ブラジルでの婚姻は、申請から完了まで平均2〜4週間ほどかかります。

公告期間中に異議が出るとさらに日数が延びるため、ビザや仕事の予定などに合わせて最低1か月の余裕を見ておくと安心です。

結婚証明書(Certidão de Casamento)は、ビザ申請・パスポート・銀行口座・保険など公的手続きで何度も使用します。発行時に2〜3部(1部約R$40前後)取得しておくと便利です。

結婚後、日本人は家族再会ビザ(Visto de Reunião Familiar)でブラジルに長期滞在できます。申請は連邦警察(Polícia Federal)で行います。

ブラジルでは結婚しても自動で姓は変わらないため、変更したい場合は申請が必要です。※日本でもブラジル人の姓を名乗る場合は、婚姻後3か月以内に「氏の変更届」を提出します。

また、宗教婚と民事婚の違いがあり、教会での結婚式(宗教婚)は役場での民事婚とは別です。まず役場で法的に結婚をしてから教会で式を挙げる人が多いです。

ちなみに、ブラジルでは事実婚のまま10年以上経ってから正式に婚姻届を提出するカップルも多く、中には子どもがいる場合もあります。

次回の【後編】では、日本人とブラジル人が、日本で結婚する場合についてまとめていきます。

以前のコラム「ブラジル人の恋愛事情」も合わせて読んでみてくださいね。今回も最後まで読んでくれて、Muito obrigada!!!

Written by HIROMI(ブラジル)

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