MENU

ブラジル時間?時間に対する価値観が異なるブラジルの文化とは

2026年8月19日
HIROMI (ブラジル)

「ブラジル時間」に戸惑う

Olá! ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。

早速ですが、日本では、「◯時に集合」という言葉がありますよね。

日本で育った私にとって、この言葉は「◯時には全員が集まっている」という意味でした。

子どもの頃から、約束の時間には少し早めに到着するよう教えられ、社会人になってからも、それが相手への礼儀であり、信頼関係を築く基本だと考えてきました。

そんな私がブラジルに住み始めて、最初に戸惑ったことの一つが、「時間」に対する考え方です。

例えば、待ち合わせを10時に約束したのに、その時間になっても誰も来ない。

「もう着くよ」と連絡を受けても、そこから20分、30分かかることもあります。

イベントの開始時間になっても準備が続いていたり、お客さんもゆっくり集まってきたりする光景を見て、日本では考えられないと驚いたものです。

当時の私は、「時間を間違えたのだろうか」「事故に遭ったのでは」と心配になり、何度も時計を見ては落ち着かない気持ちになっていました。

もちろん、約束の時間にきちんと来るブラジル人もたくさんいます。

仕事や病院、学校、飛行機などでは、時間はとても重要です。

ですから、「ブラジル人は時間にルーズ」とひとくくりにするのは正しくありません。

それでも、友人同士や家族との集まりでは、日本よりも時間に対しておおらかな人が多いように感じます。

 

その時に目の前にいる人を大切にしている

最初の頃は、その違いをなかなか受け入れられませんでした。「約束は約束なのだから、守るべきではないか」と思っていたのです。

しかし、ブラジルで生活し、多くの人と関わるうちに、少しずつ考え方が変わってきました。

ある日、待ち合わせに遅れてきた友人は、「家族が来ていて話が長くなってしまった」と申し訳なさそうに笑っていました。

別の日には、「子どもの迎えに時間がかかった」と説明してくれた人もいました。

その様子を見ていると、「時間を守らない」のではなく、「その時に目の前にいる人を大切にしている」のではないか、と感じるようになったのです。

日本では時計の針が優先される場面が多い一方で、ブラジルでは人との時間が優先されることがある。

それは私にとって、とても新鮮な発見でした。

もちろん、時間の配分がうまくできず、かなりルーズな人もいます。

最初は戸惑いしかなかった「ブラジル時間」。しかし、長く暮らすうちに、その背景にある価値観が少しずつ見えるようになってきました。

 

ブラジルで暮らして生まれた「心の余裕」

ブラジルで暮らして十数年。今では、以前ほど時間の違いに驚くことはなくなりました。

もちろん、自分自身はできるだけ時間を守るよう心掛けています。

日本人として育った習慣は簡単には変わりませんし、イベントを運営する立場では、時間どおりに進めることの大切さもよく分かっています。

一方で、以前より心に余裕が生まれたのも事実です。

「少し遅れるね」と連絡を受けても、「きっと何か事情があったのだろう」と考えられるようになりました。

青森県人会の活動でも、日本人とブラジル人が一緒に準備をすることがあります。

日本の感覚では「もう始めたい」と思う時間でも、ブラジル側はまだ笑顔で会話を続けていることがあります。

最初はその違いに戸惑いましたが、何度も一緒に活動するうちに気づいたことがあります。

ブラジルの人たちは、人と過ごす時間をとても大切にしています。

家族との食事が長引いたり、久しぶりに会った友人との会話が盛り上がったりすると、簡単には席を立ちません。

「今、この人と過ごす時間」を大切にする文化があるのです。

 

日本の価値観・ブラジルの価値観

もちろん、日本の時間を守る文化にも大きな価値があります。電車がほぼ定刻どおりに到着し、会議やイベントも予定どおりに進む。その正確さは世界でも高く評価されています。

一方、ブラジルには、人とのつながりを優先する温かさがあります。

どちらが正しいという話ではありません。

時間を大切にすることも、人を大切にすることも、どちらも社会には必要な価値観です。

海外で暮らすということは、自分の「当たり前」が世界の「当たり前」ではないと知ることでもあります。

ブラジルに来たばかりの頃は、「どうして時間どおりに来ないのだろう」と考えていました。でも今は、「ここはブラジルだしね」と笑って話せる自分がいます。

異なる文化を知ることは、相手を理解すること。そして、自分自身を見つめ直すことでもあります。

日本とブラジル、二つの文化の間で暮らしているからこそ見える景色があります。

時間の流れ方は違っても、人を思いやる気持ちは同じ。それが、私がブラジルで暮らして学んだ、大切なことの一つです。

 

「時間」だけでなく「予定」にも違いがある

ブラジルで生活していると、時間だけではなく、「予定」に対する考え方の違いにも驚くことがあります。

例えば、自宅の修理や工事の業者さんとの約束です。

「◯日に行きます」と言われても、当日になって雨が降ると、「今日は行けません」と連絡が来ることがありました。

日本人の感覚だと、「雨でも約束したのだから来るのでは?」と思ってしまうかもしれません。

しかし、ブラジルでは無理に作業を進めるより、安全や状況を優先する考え方があります。

例えば、外での作業の場合、雨の中では効率が悪かったり、仕上がりに影響したりすることもあるからです。

最初の頃は「予定が変わること」に戸惑いました。しかし、これもまた、すべてを時計どおり、予定どおりに進める日本の文化とは違う考え方なのだと気づきました。

 

公式の場とプライベートの場でのマナー

ただし、「ブラジルでは時間は関係ない」というわけではありません。

公式な式典や仕事、学校の行事、会議などでは、日本と同じように開始時間までに到着することが求められます。

私も各県人会の式典や日系団体の行事に参加する際は、開始前には会場に着くよう心掛けています。

一方で、友人や親戚の家で開かれる誕生日パーティーでは、時間ぴったりに到着すると、まだホストが準備をしていることもあります。

中には、開始時間ギリギリまで準備をして、開始時間にシャワーを浴びに行くホストも少なくありません。

そのため、「少し遅れて来てね」と言われたり、開始時間から30分〜1時間ほど経って到着する人も珍しくありません。

ちなみにレストランでは、予約時間を15分以上過ぎた場合はキャンセル扱いになったり、全員集まるまで入店できないという規制がある場合も。

同じブラジルでも、公式な場とプライベートな場では、時間に対するマナーが異なるのです。

日本にもTPOに応じたマナーがあるように、ブラジルにも場面に応じた「時間のマナー」があります。

それを知っているだけで、戸惑うことはずいぶん少なくなるように思います。

今回は、場面によって時間に対するマナーが異なる文化の違いを書かせていただきました。最後まで読んでくださり、Muito Obrigada!!!

Written by HIROMI(ブラジル)

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ