
Olá!! ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。
2026年9月9日、サンパウロ市のGaleria Magaluで、『Protagonistas – Volume 2』の出版記念イベントが開催されました。
今回の出版に参加した著者の一人、Cris Mantovaniさんから招待を受けたのが参加のきっかけで、私はこの日、夫と一緒に会場を訪れました。
彼女は夫の仕事上の取引先の方で、会場にはCrisさんの他にも、夫の知り合いが何人か来ていました。その中には、今回の本の著者として参加している方たちもいました。
出版記念イベントでありながら、久しぶりの再会や新しい出会いもあり、自然な形でネットワーキングが生まれる、充実した夜となりました。
会場に足を踏み入れると、そこには一人ひとり異なる人生を歩んできた女性たちが集まっていました。
華やかな出版記念イベントでありながら、単に「成功した女性たち」を紹介する場ではありません。
そこにあったのは、それぞれが人生の中で経験した迷い、恐れ、困難、決断、そして再出発の物語でした。
『Protagonistas – Volume 2』は、ブラジルで出版されたポルトガル語の本です。
そのため、日本にいる多くの方にとって、実際に本を手に取って読むことは簡単ではないかもしれません。
だからこそ、私はこの本と出版記念イベントを通して、ブラジルで生きる女性たちの姿を、日本の皆さんにも少しでも知っていただきたいと思いました。

『Protagonistas』はポルトガル語で「主人公たち」という意味で、亡きAna Bakosさんの思いから生まれたプロジェクトです。
女性たちの実際の人生を言葉にし、その経験を次の誰かにつなげていくことを目的として始まりました。
第1巻は発売時に初回在庫が完売するほどの反響を呼び、今回のVolume 2へとつながっています。
Volume 2では、さまざまな世代、職業、背景を持つ女性たちが、それぞれの人生について自らの言葉で綴っています。
今回のプロジェクトには、出版やビジネスの世界で女性の活躍を後押ししてきた人々も関わっています。
その一人が、ブラジルでは知らない人はいないMagazine Luizaの社長として知られるLuiza Helena Trajanoさんです。出版記念イベントの会場も彼女のGaleriaで開催されました。
Luizaさんは企業経営者としてだけでなく、女性の社会参加やリーダーシップを支援する活動にも積極的に取り組んできました。
以前、世界ウーマンのコラムでも書いた、ブラジルで女性たちのネットワークとして大きな存在感を持つ「Mulheres do Brasil(ムリェーレス・ド・ブラジル)」のファウンダー、会長であり、これらの活動とも今回の本の理念には通じるものがあります。
過去コラム:ブラジルの女性による社会的なネットワーク「Grupo Mulheres do Brasil」
Mulheres do Brasilは、Luiza Helena Trajanoさんの呼びかけによって始まった女性のネットワークです。
政治、経済、教育、起業、社会福祉など、さまざまな分野で活動する女性たちが参加し、女性の権利や機会の拡大、社会課題の解決に向けて声を上げています。
一人の女性が成功するだけではなく、女性同士がつながり、経験や知識を分かち合い、社会全体をより良い方向へ変えていく。
その考え方は、『Protagonistas』が大切にしている「一人ひとりの物語を、次の誰かへつなぐ」という姿勢とも重なります。
参加しているのは、企業経営者や起業家、専門職だけではありません。
ジャーナリストのChristiane Pelajoさん、女優のCristiana Oliveiraさん、ジャーナリストのRenata Ceribelliさんをはじめ、さまざまな分野で活動する女性たちが名を連ねています。

混雑するイベント会場ではウェルカムドリンクやスナックも
この本の大きな魅力は、その「多様性」にあります。
19歳から80歳までの女性が参加し、黒人女性、LGBTQIA+の女性、先住民、リベイリーニャ(ブラジルのアマゾン川流域など川岸や水辺で、伝統的な生活を送る住民たち)、障害のある女性、ニューロダイバージェント、特別な支援を必要とする子どもを育てる母親など、それぞれ異なる背景を持つ女性たちの物語が収められています。
・産後うつや、重い病気・障害を抱えた子どもとの人生。
・離婚後、双子の母として、一人の子どもの自閉症を含む「見えない育児負担」の経験。
・海外移住後、3歳の娘の自閉症に気づいた経験。
・自身もニューロダイバージェントで、夫や子どもたちもそれぞれ異なる特性を持つ家族の経験。
・先住民女性として医学・心臓外科の世界に入り、先例のほとんどない道を切り開いた経験。
というように、「成功したから書く」のではなく、自分が経験した人生そのものがテーマになっていて、誰もが憧れるような「輝かしい成功談」だけがあるわけではありません。
喪失、偏見、暴力、経済的な困難、家族の問題、健康、キャリアの変更、そして人生の再出発。
一見すると、自分とはまったく違う人生に思えても、その中にある「怖かった」「迷った」「それでも前に進んだ」という感情には、きっと多くの人が自分自身を重ねることができるのだと思います。
前編はここまでとなります。
後編では、今回私を招待してくださったCris Mantovaniさんの物語や、「男性が女性の味方になる」ということについて、さらに深掘りしてお届けします。どうぞお楽しみに。
今回も最後まで読んでくれてMuito Obrigada!!!
Written by HIROMI(ブラジル)