マカオのテニス仲間たちと
ロ:子供の頃から興味のあった海外生活という環境に飛び込んでみて、人生のターニングポイントを経験。その後、ご主人との結婚を機にマカオに移住ですよね。マカオといえば広東語ですが、どうやって習得したのですか?
さ:最初マカオに来た時は全く広東語ができなかったんです。義母が週3回家庭教師の先生を付けてくれたのですが、先生が日本語ができる人で…。がっつり広東語を勉強というより、数独なんかのゲームをしていました(笑)
ロ:え?
さ:毎週一応センテンスなんかを書いてくれるのですが、あまりにも広東語ができないので最初の30分は勉強、残りの30分はゲームみたいな感じでした。それを3ヶ月くらい続けました。最初の1年間はぶわーっと何か言われても、1%か2%しか分かってなったですね。
マカオではテレビ番組すべてに字幕が付いているので、耳で聞いて目で答えを確認するやり方で少しずつ覚えていきました。
当時働いていた会社は日系企業だったので仕事ではほぼ日本語でしたが、やはり家族間の会話は広東語なので、広東語を覚えなくてはいけないというプレッシャーはありました。義理のお母さんが絶対広東語だったので…。
ロ:それは大変ですが、モチベーションというか習得マストな環境づくりにはよかったかもしれないですね。
さ:はい、夫とは最初英語で話していましたが、子供が生まれて義理の家族との関わりが増えるにつれ、だんだん比重が変わっていき、今では広東語で話すようになりました。
結婚記念日に夫婦水入らずで
ロ:マカオ生活で一番インパクトがあったことはなんですか?
さ:マカオの外注文化でしょうか。マカオに来たばかり時に夫のお母さんに「あなた料理する?」と聞かれて、「必要があればします」と答えたら、「私もできないのよ、あはははは!」とあっけらかんと言われたんです。
「料理って必須じゃないんだ!」という驚きがありました。子供が生まれたら、「仕事しながら一人じゃ手が回らないでしょう」と当然のようにお手伝いさんを見つけてくれましたし。
ロ:日本だと想像つきづらいシチュエーションですよね。
さ:マカオ人はできないことは「できない」とすぐに言いますね。こちらからすると「ちゃんと調べた?」って思うのですが、まず自分ができるかできないということをはっきり伝えてくるんです。
ロ:簡単に「できない」って言っちゃうんですね。
さ:優秀な子たちなので、やろうとしたらなんとかできないはずはないんですが、マカオ人はできる人に頼めばいいと考えるみたいです。
ロ:興味深いですねー。
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