
マレーシア最大の旅行博「Matta Fair 2025」が、9月5日から7日までクアラルンプール最大の展示場MITECで開催されました。
マレーシア旅行業者協会(MATTA)が主催し、過去には18万人規模の来場者を記録。今回は約2,000のブースが出展し、巨大な3フロアにわたり圧倒的なスケールで展開されました。
この旅行博は一般向けで、旅行好きの人や、この博覧会ならではの安いプロモーション価格を狙う人、旅行先の情報を集めに来る人で賑わいます。
私は北海道から訪れた旅行関係者の通訳として仕事をいただき、会場で2日間お手伝いをしていました。
1階はマレーシア国内旅行専門フロア。地域ごとのエリアがあり、民族衣装を着て来場者を惹きつける旅行会社が数多く出展していました。
2階と3階はインターナショナル旅行フロア。日本政府観光局(JNTO)の地域別ブースは大きく、迫力と活気がありました。日本の旅行会社JTBやHISのブース、日本旅行を専門とする現地旅行会社のブースもありました。
航空会社やホテル、アミューズメントパーク、クレジットカード会社など、旅行に関連するブースは多岐にわたります。
中でもマレーシア航空のブースは圧巻で、マンチェスター・ユナイテッドの選手を招いたフォトコーナーなど、莫大な予算を投じた展示で、旅行好きにはたまらない内容でした。

改めてマレーシア人の旅行熱を見ると、非常に高い関心とアクティブさを感じます。
マレーシア・シンガポール・タイ・インドネシア・日本の「人口1人あたり年間出国回数」は、マレーシアが2位で0.8回、日本は4位で0.15回です。
また、観光庁のオンラインアンケート(18歳以上対象)によると、2024年に海外旅行を計画している人は69%で、平均目的地数は1.3カ所。
国内旅行も人気で、2024年には平均2.4回の国内旅行を計画しているとのデータもあります。
マレーシア人が好んで訪れる国々としては、タイ、インドネシア、ベトナム、日本、シンガポール、韓国、トルコが2023〜2024年にかけて上位を占めています。
特に南部タイが最多(24.3%)、インドネシア(18.2%)、日本とシンガポールがそれぞれ7.9%と高い人気を示しています。
マレーシア人のパスポート所持率は不明ですが、マレーシア国籍のパスポートは自由度が高く、2025年時点でビザ不要または到着時ビザ取得可能な国は181カ国で世界11位。
東南アジアではシンガポールに次いで2位という評価を得ており、高いグローバル移動性を誇っています。
一方、日本のパスポート保有率はわずか17%で、日本人の6人に1人しか国際旅行を気軽にできないのが実情です。せっかく最強のパスポートを持っているのに海外に行かないのはもったいないですね。

今回の旅行博で印象に残ったのは、「ハラル対応/ハラル専門旅行会社」の存在です。
多くのマレーシア人来場者が「ハラル対応できるか」を重視しており、ハラル専門の旅行会社のブースが複数出展されていたことからも、宗教や文化に根ざした旅の配慮が重要視されていることが分かりました。
この点から、日本の観光業や旅行サービスでも柔軟に「ハラル対応」が可能であれば、マレーシアをはじめハラルを求める旅行者にとって非常に魅力的な選択肢となると感じました。
東京や大阪ではハラルレストランも増えてきましたが、地方では対応が進んでいないと聞きます。
ただ、日本国内で一部の観光客だけを対象にハラル対応を進めるのは、ハードルが高いのも理解できます。
私は旅行産業向けに「柔軟な」ハラルコンサルティングを提供することにビジネスチャンスを感じました。
日本人にとって難しい「厳格な」ハラルではなく、例えば国内の食品やレストランがムスリムフレンドリーかどうかを分かりやすく示すだけでも、観光客に安心感を与えられるのではないでしょうか。
今回のMatta Fairを通じて強く印象に残ったのは、マレーシア人の旅行への熱意と、細やかなニーズに応える動きの活発さです。
日本でもこうしたニーズに柔軟に対応できる環境やサービスを整えることで、より多くの旅行者を引き寄せられると実感しました。
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Written by 土屋芳子(マレーシア)