
私はカリフォルニアで心理セラピストをしておりますが、セラピーの中でお話を伺う時、よくこんな言葉を耳にします。
「本当は嫌だったんです。でも、私が気にしすぎなのかなって思って…」
「傷ついたはずなのに、大したことないって自分に言い聞かせてしまいました」
誰かに否定された出来事そのものよりも、あとからご本人が一番悔しそうに語るのは、「あの時自分の気持ちを信じてあげられなかった」という体験です。
特に海外で暮らしている女性は、言葉や文化、価値観の違いの中で、「私の感じ方は正しいのだろうか?」と迷いやすい環境にいます。
パートナーとのやりとりで違和感を覚えても、
・文化の違いかもしれない
・私の英語が足りなかったのかも
・もっと大人にならないと
と、自分の感情よりも“正しさ”を優先してしまう。
でも、その積み重ねが、静かに自己信頼を揺らしていきます。
「あれ?」という違和感を見なかったことにしたこと。自分を守れなかったこと。尊重できなかったこと。
そして、自分を信じてあげられなかったことに、悔しさが込み上げてくるのです。

セラピーで私が大切にしているのは、「それはあなたにとって、どう感じられましたか?」という問いです。
正しいかどうかよりも、客観的に見てどうかよりも、まずは“あなたの体験”を丁寧に扱うこと。
自分を信じるというのは、「私は絶対に正しい」と主張することではありません。
傷ついたなら、傷ついた。寂しかったなら、寂しかった。理不尽だと感じたなら、理不尽だと感じた。
その感覚を、すぐに修正しなくていい。分析したり、合理化したりしなくていいのです。
「そう感じたんだよね」とボソッと言えること。
それが、「自分を信じる」ということの本質だと私は思っています。

日本という枠を超えた世界で生きる女性たちは、ご自身で思っている以上にたくさんの努力をしています。
慣れない言語で働き、異文化の中で人間関係を築き、時に自分のキャリアや立場を揺らしながら、日々バランスを取っている。
それだけでも十分すぎるほど頑張っているのです。
多種多様な価値観がある世界で頑張っているからこそ、自分の感覚が正しいのか、それとも、自分がこだわりすぎなのか、自分を通しすぎなのか、あるいは妥協すべきなのか、迷うこともあって当然です。
「私は、本当はどう感じている?」
その答えがどんなものであっても、まずは否定せずに受けとめてみる。それが、自己信頼を取り戻す小さな一歩になります。
誰かに理解される前に、まずあなた自身が、あなたの味方でいられますように。
カリフォルニアで心理セラピストをしています。Note や、YouTubeでも心が軽くなるヒントを発信しています。
Written by 佐古祐子(アメリカ)