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もしも子どもが海外や国際恋愛に興味を持ったら、まず最初に聞きたいこと

2020年12月17日
佐古祐子 (アメリカ)

まず自分の子どもに聞いてあげたいことは?

「黒人男性に惹かれるのですが、親や友人から色々口出しされたくありません」というメッセージを、日本に住んでいる日本人の女の子からいただいたのですが、彼女とメール交換をしながら色々なことを考えました。(※1)

今回は「もしもお子さんが将来『海外』や『国際恋愛』に興味を持ったら」について思うことを少しシェアさせてください。

もしも私の子どもが大きくなって「留学したい」と言い出したら、まず最初に「どうして留学したいの?」と聞きたいです。

当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、突然のことにびっくりして感情で反応してしまい、否定したり反対する親御さんも少なくないのかなと感じています。

これまでお悩み相談・コーチングサービスを通じて多くの国際恋愛・国際結婚・海外移住・離婚のお話を伺ってきましたが、親からの反対・親のさびしさを背負ってしまうというテーマが挙がることが少なくありません。

また「私にはむずかしいことはわからないから、あなたの好きにしなさい」と子どもの話に向き合わず、まだまだ考えの至らないところのある青少年に意思決定を委ねてしまう「子どもに丸投げ」のケースもあるように思います。

私自身が留学したいと言ってアメリカにやってきた15年ほど前のことを思い出してみると、「日本が嫌だった」「アメリカのほうが”ベター”だと思った」「日本の文化や男よりも、”アメリカ人(黒人)”に惹かれた」という、かなり若くて青くて生きづらそうな理由が主でした(苦笑)。

その当時は「心理学を志し臨床心理士になるのだ、そのためには”人種のるつぼ”であるアメリカで多様性を学ぶのだ」ともっともらしい理由も掲げていました。

しかしそれと同等に、ここよりもきっともっと素晴らしい生活や人間関係があるであろうアメリカへの憧れ、「すごいね」「普通とは違うね」と言われたい承認欲求などが先行していたように思います。

 

私が本当に望んでいたこと

留学生時代は「日本人から見てどう思われるか」「日本の社会の中でどういう立ち位置でいたいか」「親や友人からどう見られたいか」という意識が強すぎて、アメリカにうまく馴染めませんでした。

アメリカで生きたいという願いよりも、留学してるすごい自分、というアイデンティティが強かったからです。アメリカにいるのに、そこでどう生きていくかよりも「日本にいる日本人の目線」をすごく気にしていました。

心理学を志したのも、本当は自分の生きづらさがどこからくるのか知りたくて、それを解決したくて、どうして人ってこうなんだろう、という想いがあったからだと思うのですが、若すぎて言語化することができませんでした。

もしあの時、周りにきちんと話を聞いて私の生きづらさを指摘してくれたり、アドバイスしてくれる大人(メンター・ロールモデル)がいたら、もっと色々違ったんじゃないかなあと振り返ればそんな風に思うこともあります。

私が本当に望んでいたのは「どうしたら、どこへ行けば生きやすくなるのか、誰か教えて」という気持ちが解消されることで、欲しかったのは「自分の居場所」でしたから。

 

留学や国際恋愛に興味を持ったお子さんを持つ保護者の方へ

私自身、20代はアメリカ人男性と関わりたいという願望や恋愛への興味がすごく強く、沢山の方とデートをしたりしてきたのですが、いざ、若い女の子から「国際恋愛・外国人男性に興味があるんです」と言われた時に、

「え、やめときなよ。もっと青春を楽しみなよ。まだ早いよ。危ないよ。男となんて、無理に一緒にいるものじゃないよ」と言いたくなる自分に気がついて、「モノの分かった大人」のようなことを考えている自分に怖くなり、時が流れたことを感じました。

それと同時に当時は「あなたはまだ若いんだから」「もっとこうしなさい」「そんなことはやめておけ」「ダメ」「何やってるの!」と感情的に反応されること、「若いから、まだ子どもだから」という理由で否定されること、自分の話をきちんと聞いてもらえないこと、向き合ってもらえないことが最も嫌で悲しかったということを思い出しました。

それを若い頃は「うざい」とか「むかつく」とか「ほっといてよ」という拒絶の言葉、または無視することでしか表現できなかったという感覚を思い出したのです。

もしも私が上記のように感情で反応して否定的で「大人」な反応をしたら、件の彼女はきっとそれ以上話をしてくれなかったと思います。

「あ、この人には話をしても無駄だ」と思った瞬間、人は心を閉ざします。老若男女問わず、誰もがきちんと話を受け止めてもらえること、聞いてもらえることを望んでいるのではないでしょうか。

私自身が親となった今、息子が留学したいと言ったら、すごく怖くてさびしくて悲しくなってしまう可能性が否めません。

だからこそ、もしその時が来たら、しっかりとその意図と意志、本当にそれがやりたいことなのか、どう生きていきたいのか、彼と向き合いたいと思うのです。

お子さんが海外や国際恋愛に興味を持ったら、

・「今」を否定するために留学したいと言っているのではないか
・親への反発心から「キケンな異性との関係」に惹かれているのではないか
・生きづらくて、それを言語化できていないのではないか
・何か嫌なことやさびしいことがあるのではないか

という可能性を視野に入れながら、お子さんと向き合って彼・彼女がどんなことを考え、何を思うのか、しっかり話を聞いてあげて欲しいと思います。

(※1)「名前を出さなければSNSなどで話ををシェアしてOK、他にも悩んでいる子がいるかもしれないから」とご本人からお話いただいております。こちらの動画で彼女の話をしています。

恋人や夫婦間、親子間の悲しい気持ちを整理したり、自分を知るためのコーチングセッション・情報発信をしています。こちらからメールアドレスをご登録いただくと、セッションのご案内、各種更新情報などをお届けします。

Written by 佐古祐子(アメリカ)

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