今月世界ウーマンインタビューをさせてもらった栗山さやかさんが、海外に目が向くようにきっかけに坂之上洋子さんのエッセイがあったとおっしゃっていて、おそらく『犬も歩けば英語にあたる』ではないかと思うのだが、私も学生時代に読んでとても感銘を受けたことを思い出した。
坂之上洋子さん、最近はどうされているのだろうと見つけたのが、今回ご紹介する本。
私が人生のテーマとしている「自分らしく生きる」にもつながる、『世界で1番大切な自分の見つけかた』というタイトルに惹かれてしまった。
かわいい羊にイラストの表紙には、英語で”This is for you who strays more than a stray sheep”とある。迷える子羊より迷えるあなたへ書かれた本だ。
中を開いてみると、「大人向けの絵本のよう」というのが第一の印象。一つ一つの文章はすごく短いので、ゆっくりゆっくり噛み砕くように読んだ。
「だいじょうぶ」というタイトルの優しいメッセージからはじまり、素敵なイラストと英語でもメッセージが併記してあって、なんだか落ち込んでいる時にもスッと入ってきそうだ。
自分を振り返りながらしっかり落とし込み、深呼吸などアドバイスを実践しながら読み進めるといいと思う。イラストもシンプルだけどとても魅力的で、メッセージを読んだ後に見つめているとより思考が深まっていくような気がする。
この本は、読むヨガ、もしくはマインドフルネスと言ってもいいかもしれない。悩みで凝り固まっている自分が、読んでいくうちに自然にほぐれていくような感じ。
一つ一つの悩みや困り事を自分なりに解決していくと、そこには本来の自分が残る。
冒頭の洋子さんからのメッセージに書いてあるのは、「現在の幸せを感じることができるかどうかは、幸せを(ひろう力)を身につけられるかどうか」だそうだ。
うまくいっていない状態でさえ楽しみ、しっかりと目を開けて向き合うことで、自分だけのプレゼントがすでに沢山あることを見つけることができるという。
誰もが人生、いい時ばかりではない。いい時もよくない時もあるからこそ、いい時をより味わえるような気がする。よくない時も勇気を持って進み続けることで強くなれるし、乗り越えた時の喜びは格別なものとなるはずだ。
なんとなく人生に迷っている時、なんとなく孤独を感じている時などにこの本を手に取ってほしい。きっと迷いから抜け出すきっかけ、少なくとも私だけじゃないと感じることができるはずだ。
Written by 藤村ローズ(オランダ)