日本在住、そしてまだ花の独身の読者がこのタイトルを見ればなんとなく「華やか」イメージが浮かぶのではないだろうか。
だが、同じく国際結婚し、海外に住む方々の間では苦笑いしている方も多々いらっしゃるのではと推測する。そう、この華やかなタイトルの裏には数え切れないほどのほろ苦いエピソード、悪戦奮闘の日々が隠されているのである。
海外生活で欠かせない「運転と英語」については以前のコラムで書いた通りである。
さらに国際結婚している場合、そこに「異文化理解/享受」が加わってくる。が、ここでは堅い話はやめにして、実生活で感じる長所短所についてお話ししたい。
国際結婚の醍醐味は異国に住む楽しさ、異文化を学び、夫婦としての関係を高め合って行く。。。といえば聞こえはいいが、私がイギリス人の夫と結婚して本当によかった、と心から思う時、それは。。。それは。。。
超楽チン朝ごはん!!に象徴される食事の支度全般である。
概して、日本人女性は「主婦の鏡である」というのが私の出した結論である。東京に住む妹によると毎朝5時半起床、朝食作りに旦那様と二人の愛児にお弁当、という生活をずううっと続けている。
朝食はもちろん、鯵の干物、お漬物、お味噌汁、炊きたてご飯、などの和風定食。このお味噌汁も、毎日同じメニューではだめで、今日はお豆腐、明日はじゃがいも。。。といいように具を変えなければいけないとか!?
朝食だけではない。もし自分が仕事で遅れる、または女子会で出かける、ということであれば当然のことながら夕食もみっちり用意して出て行く。共働きだろうが、残業が続いていようが、食事作りの責任は基本的に妻にある。
Daddy’s Special Bangers and Mash
さてこれをイギリス人と結婚している筆者の生活に置き換えると、
朝ごはん:シリアル(いわゆるコーンフレーク)、コーヒー
おべんとう:「自分で作ってね。」(機嫌がよい時は超シンプルなサンドイッチを作って『あげる』時もある。)子供達は学食。
夜ご飯:自分が仕事や女子会でいないときは「楽しいピザ」、つまり既製のピザをオーブンにいれるだけか「Daddy’s Special Bangers and Mash 」(誰でもできるソーセージとマッシュポテト)の二択。
主人は仕事の時はもちろん「明日は女子会でいないよう」と告げると「はーい、楽しんでいってらっしゃい!」と非常に朗らか。場合によっては女子会が終わる頃、車で迎えに来てくれることもある。
いかがだろう?「うらやましいいいいい!」と地団駄踏んでいる読者も多いのではないだろうか。
Small talkから始まった友人たちとピクニック
さて、ここからが本題!
普段、特に「国際結婚している」とか「イギリス人と結婚している」とかあまり意識しない私ではあるが、この時ばかりは「あー疲れるうう」と思う時がある。
口喧嘩くらい日本語でまくしたてたい!今となっては怒鳴り返すこともできるようになったが、結婚当初は本当に大変だった。
そう言うと、旦那は目を丸くして「ご、ごめん、君はいつもベラベラ喋るからそんな風に感じてたなんて思いもよらなかったよ。。。」としょぼんと反省の声を口にする。
海外在住も20年を超えると、当然外国人の友人も増え、語学力もそれなりについてくる。
だが、このいつもいつも第二外国語(私にとっては英語)で生活する、というのは今でも正直疲れる。ロックダウンの今は特にそう!
だいたい私は、午後11時を過ぎると「英語モード」がプッツンと切れる。
そうなるともう酔っ払った友人達の早口の英語も、よくわからない(あまり面白くない)英語のジョークも、もう要らない。早く帰って、このバイリンガルモードからおさらばして疲れた脳を休ませたい、というのが本音である。
里帰り中に学生時代の友人達と飲む時には感じないこの疲れは独特で、そんな気持ちもなかなか外国人のパートナーには伝わらない。
(次ページへつづく)
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