海外旅行に行けない日々ですが、リモートでの仕事の仕方が確立されたり、オンラインで収益をあげられるようになったりして、不確かな将来に備えて、どのように生活するかを模索している方も多いのではないでしょうか。
最近、コロナ後にマレーシアに移住を考えているという方からのお問い合わせも増えてきました。
財団法人ロングステイ財団によると、マレーシアは日本人が移住したい国、13年連続No.1であり、移住先として人気です。
さらに2021年のグローバルランキングで、マレーシアのペナン島が、「リタイアメント後に住みたい島」の3位に選ばれました。マルタ島やマヨルカ島よりも上位で、アジア内では1位という結果。
日本からだけでなく、世界からも住みやすそうだと思われているとは驚きです。
マレーシアがなぜ住みやすいかというと、
・気候が温暖で、災害が少ない(地震がなく、一年を通じて気温の変動が少ない)
・物価が安い
・英語が通じる
・親日家が多い(1981年当時、マハティール首相によるルック・イースト政策や、日本がマレーシアに資金援助してきた)
・日本食が入手しやすく、日本食レストランも多い
このあたりのことが認知されているのではないでしょうか。
そして最も皆さんが気になるのは、治安と物価だと思います。
日本と比較したら、もちろん治安は悪いのですが、外国にいるという意識を持って気を引き締めて生活していれば、特に危険を感じることはありません。
最も頻繁で気をつけるべき犯罪は、バイクによるひったくり。歩くときに周りに気を配るとか、車道側にバッグを持たないなど気をつけていれば、まず大丈夫です。
空き巣はたまに聞きますが、外国人が住むセキュリティ付きのコンドミニアムより、セキュリティなしの一軒家が狙われることが多いです。
車上荒らしは頻繁にあるので、車の中に貴重品を置かないことは鉄則です。ぼったくりや小さな詐欺などは、他国と比較するとあまりない方だと思います。
タクシーによるぼったくりは以前はありましたが、Grabタクシーなどの配車サービスを使えば問題なし。お釣りのごまかしをされたことはほぼありません。
子供の誘拐、とくに臓器目的の誘拐はたまにあるので、小さな子供からは目を離さないというのは大事です。
マレーシアの物価の安さに1番の魅力を感じている方は多いでしょう。いくらで生活できるかは、ズバリその人次第。
2人家族が平均的な感覚で生活するとすると、平均的には月に20-25万円くらいが目安だと思いますが、10万円で生活することも、50万円かけることもできます。
日本と比較して、最も安く感じるのは住居費。セキュリティ付き、プール付きの2LDK-3LDKのコンドミニアムのユニットは、月4万円-9万円くらいで住めます。
光熱費や電話代は、日本と同じか少し安いくらい。食費は、日本の2/3と思っていれば不自由なく生活できます。
オーガニック野菜や日本からの輸入品ばかり購入するのであれば、価格は高いですし、ローカルのマレーシア人と同じものを買って食べていれば、日本の1/3のコストでまかなえます。
牛乳やチーズなどの乳製品と卵、ティッシュやトイレットペーパーなどの紙類はほぼ日本と同じ価格。
ビールは日本と同じですが、ワインやウイスキーなどは税金により、3倍くらい高いです。従って、酒を普段からどのくらい消費するかによって、かかるコストはだいぶ変わります。
マレーシア人の日常的な外食にかける平均予算は、ランチで300円、ディナーで500円から800円。屋台だと麺類やご飯ものは150-200円くらいです。
日本人経営の日本食レストランでは、1食1000円だと安い方で、1500円-3000円は普通。超高級レストランでの予算は日本と同じで、8000円から4万円くらいです。
少人数家族だと、食材をいろいろ買って作るより、ローカルの屋台やレストランで食事する方がリーズナブル。
インターナショナルスクールは、小学生の場合、年間の学費は40万円から400万円ほど。予算と好みのカリキュラムによってたくさんの選択肢があります。
子供の習いごとは、週1回1時間だとして、月4回の場合、月3000円-6000円が、ローカル経営の音楽教室やスポーツ教室の相場です。外国人の経営や先生の場合、日本と同じくらいの料金です。
映画は圧倒的に安いです。大人で250円から600円くらい。子供は200円から250円。日本の映画はたいてい日本語で上映され、マレー語と中国語と英語の3ヶ国語の字幕が出ます。
ホテルは、クアラルンプールの5つ星ホテルは、世界一安いと言われています。
一泊1万円以下で、ほとんどの5つ星ホテルに宿泊でき、2万円あればトップレベルのホテルに宿泊できます。ただし、ランカウイなどのリゾート地でのホテル代は安くありません。
マレーシアの物価は日本の1/3だとメディアで取り上げられることが多いですが、実際には、日本人が快適に暮らすのであれば、そこまでは安くなりません。2/3程度が平均的でしょうか。
マレーシア人の場合は、月5万円から10万円のお給料で暮らしている方が大半です。
関税の関係で、お酒と車が高く、日本の2-3倍と思っていた方が良さそうです。
先日、友人の付き添いでベントレーのショールームに行ったら、日本で3000万円程度の車の値段は、5500万円でした。それでも売れ切れ続出といいます。
ブランデーやウィスキーなど、100万円近い価格の高級な洋酒も、ものすごく売れています。マレーシアの富裕層のお金持ち具合はすごいです。
参考になったでしょうか?早く旅行ができるようになりますように。
Written by 土屋 芳子(マレーシア)