アメリカの学校教育はK-12と言って、キンダーから12年生(高校3年生)までが義務教育とされています。公立の学校でしたら高校まで学費がかからずに学校に通えるのです。
スクールイヤー(学校新年度)の始まりは、ほとんどの学校は8月終わりから9月です。9月に進級・進学をします。そして学校年度末が5月から6月にかけてになります。50州の週によって多少時期がずれますが、大まかにはこの時期になります。
この時期、5月・6月というのは卒業の時期なのですが、実は小学校・中学校の卒業式は一般的にはありません。
学年が終了すると言うことでパーティーなどはありますが、映画などで見る卒業のガウンを着て、てっぺんの四角い帽子をかぶっての卒業式というのは、一般的には「高校卒業時」が初めてになります。
ですから、このK-12という13年間の義務教育過程を終了すると言うことが、親にとっても子どもたちにとっても、非常に感慨深いわけです。
私はたびたび、日本から転勤などで来られる方に「どうしてアメリカ人って高校卒業のお祝いをあんなに盛大にするんですか?まだ大学があるのに、、、」と、聞かれることがあります。
それは義務教育の終了、高校卒業時に初めて卒業式なるものがあるからなのです。そして、大学に進学するしないにかかわらず、18歳、すなわち高校卒業ということが一つの教育と育児の節目となるからなのです。
多くの子ども達は大学(カレッジ)進学する時に親元を離れて、一人暮らしを始めます。子どもたちが独立していく時期でもあるのです。
そういう意味もあり18歳と言うのは、アメリカでは特別な年になるわけです。(ちなみにほとんどの州では飲酒は21歳からです)
昨年はコロナの影響でアメリカ国内では多くの高校・大学で卒業式がオンラインなどで行われましたが、本来ですと、5月・6月は卒業式、卒業パーティの時期です。
私の住むミシガン州でも、自然がとても美しいこの時期に屋外での卒業パーティがあちこちで見られます。
アメリカに来て初めて卒業式のパーティに招待された時にとても驚いたのが、卒業式に使われる色が、「黒、紫、白、紺、金銀」などの色だと言うことでした。
卒業式のお祝いにカードを買いに行くと並んでいるカードの色もそのような色彩のものが多く、第一印象が「お葬式の色みたい」でした。花束にも黒いリボンがかけられていることもあります。
日本ですと、紅白幕など赤と白と卒業の時期が春ですから、明るい色調がイメージされますよね。日本の文化の中で入学・卒業を経験した私にとっては、アメリカでの卒業式への参列はとても衝撃的な印象だったことを覚えています。
娘達の卒業式も、高校卒業時には白いガウンと帽子、大学卒業時には黒いガウンと帽子でした。
特に大学の卒業式では、黒いガウンと帽子で学生達が一同に卒業式の最後に、あのてっぺんが四角の帽子を空に向かって投げる場面を見て、それはまるで映画の中の一場面のようで、参列していた私の方が感動してしまいました。
Written by スペイツ由美(アメリカ)