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雨氷をご存知ですか?ミシガン州の冬の寒さの中にある自然の芸術

2021年2月3日
スペイツ由美 (アメリカ)

「寒い」より「痛い」、まつ毛も凍るミシガンの冬

2021年1月上旬に日本でも日本海側で記録的な積雪量だったニュースを読みました。

ここ数年は、夏の暑さも降水量も積雪量も気象台が記録を始めて以来、過去に例をみないと言う言い方をされているのを何度も耳にしました。

私たち人間の想像を絶する気候の変動が地球全体で起こっているようですね。

私が住んでいるアメリカの中西部ミシガン州は、冬の間に数回はマイナス20度ほどの気温になることがあります。そのような気温の日には、学校も寒さのために休校になるほどです。

私はミシガンに住むようになって初めてこのような寒さを体験しましたが、その体感は「寒い」と言うよりも「痛い」と言う寒さです。マイナス15度や20度の気温で外に出ると肌が「痛く」感じます。

このような寒さの時に肌を露出していますと凍傷になる恐れもあるのです。そのような理由もあって、極度に気温が低い時には学校も休校になるわけです。

このような気温ですと、濡れたタオルを持って外にいくと1分も経たないうちにタオルがこちこちに凍ってしまいます。ですからそんな時は外に数分いるだけでもまつ毛が凍ってしまいます。

昔日本に住んでいた時に自動車のエンジンオイルのCMで、「マイナス20度の世界ではバラの花がこんな風になります」と、凍った花びらがパリパリと壊れていく映像をみたことがありますが、まさにその状態です。

お店で花を買うと、店から駐車場の車にいく間に花が凍らないようにラッピングしてくれるほどなのです。

 

マイナスの気温で太陽の光にキラキラと輝く雪の結晶

しかし、このような気温で晴れた日にはとても美しい雪の結晶がみられます。雪の結晶が肉眼でもみられるのです。

渡米して初めて雪の結晶をみた時の感動は今も忘れません。

マイナスの気温で太陽の光にキラキラと輝く雪の結晶はそれはそれは美しいです。木に積もった雪がハラハラと宙を舞いながらキラキラと輝くわけです。

それは気温とお天気の組み合わせで見られる現象なので、その条件が合う時には、私は防寒着を身に纏いあえて外にそのキラキラを見にいきます。自然が織りなす芸術そのものなのです。

日本語で雨氷(うひょう)と言いますが、雨氷は0℃以下でも凍っていない過冷却状態の雨(着氷性の雨)が、地面や木などの物体に付着することをきっかけに凍って形成される硬く透明な氷のこと。着氷現象の一種でもある。(Wikipediaより一部お借りしました)

フリージングレインと言って、0度を少し下回る気温に雨が降ると、雨粒が即座に氷になり透明な氷のまま道路などに付着する現象もあります。冬の運転では積雪よりも、このフリージングレインの方が危険です。

車のフロントガラスに薄い氷の幕が貼ってしまうので、窓ガラスを温めながらワイパー全開で氷を取って行かないと前が見えなくなります。

さらに夜間などで、気温が下がるとブラックアイスと言って、一瞬にして道路がスケートリンクのように凍ってしまうのです。これは、全くハンドルの操作ができなくなるだけでなく、下手にブレーキを踏むとスピンしてしまうので非常に危険です。

しかし、車の運転がなければこのフリージングレインで凍った木の枝もとても美しいです。

凍った後に雪が降ると神秘的な銀世界になるのです。

ミシガンの冬は厳しい寒さではありますが、それ故にみることができる自然が織りなす美しさには深く感動します。

同じミシガン州でも更に北に行くとカナダやアラスカに近くなり、冬場はオーロラが見られる日があるそうです。

私はまだ実際にはオーロラを見たことがないのですが、いつか機会を作ってミシガンの北へオーロラを見にいきたいと思います。

Writetten by スペイツ由美(アメリカ)

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