青空の下でBBQ、この光景を思い浮かべるとワクワクしますよね。何となくBBQと言うと、アメリカ人のイメージが強い感じがするのは、私だけでしょうか?
意外なことにシチリア人、BBQが大好きなんです。
フィレンツェに住んでいた頃はそれ程機会がなかったのに、シチリアに住み始めてから何度もその機会を得ました。今日はそんな「シチリア人のBBQ」についてお話ししたいと思います。
青空の下で行う物ですから、真冬はやりません。別に真冬に禁止されているわけではありませんが、一般的な解禁日は「復活祭の翌日」、イースターマンディになります。
復活祭は年によって変わる「移動祭日」であり、3月下旬から4月下旬のどこかに当たるのですが、その翌日も祭日。通常イースターは家族と過ごし、その翌日を友人たちとの会食で楽しむのが定番です。
暦の上では春分の日が春の始まり、そしてその後3月最後の週末に夏時間になり日が伸びて季節の変わり目を感じますが、復活祭で本格的な春の到来!と言う感じなのです。
そうなるともう外で過ごしたくなりますよね?復活祭の日曜日はお天気が悪いこともあるのですが、翌日は晴れるのも不思議であります。
ひたすら焼きます
シチリアではこの復活祭の翌日から始まり、4月25日の祭日(解放記念日)、そして5月1日の祭日(メーデー)と、3回の「お約束のBBQの日」があります。
別に誰が決めたわけでもないのですが、この3日間のホームパーティはほぼ必ずBBQとなるのです。春になったのだから、暖かくなったのだから、室内で過ごすなんてとんでもないと言うシチリア人。では彼らのやり方をご紹介しましょう。
開催場所はズバリ、「庭を持っている誰かの家」となります。20人くらいまでなら、お庭にテーブルを出したり、パティオに用意したりで着席で行われる事が多いです。
お肉を切るのにはやはり座って食べるのが楽ですが、これだけの人数が座れるスペースって、なかなか日本ではないかと思います。びっくりですよねぇ。
パレルモ旧市街で庭付きの家に住んでいる人は稀ですが、20分くらい車を走らせると多くの人が庭付きの家を持って、毎年その誰かの家が開放されます。有難いことです。
日本でも我が家の別荘の庭で小さい頃からやっていたので、かなりの経験のある私ですが、こちらのやり方は少々異なります。
メインは「肉を焼く」事ですが、そこはイタリア式できちんとコースになっている事が多いです。つまり、前菜、パスタ、そしてBBQとなるのです。
大人数なので持ち寄りとなりますが、前菜は割と簡単な物が多く、オリーブやチーズの塊が何種類も並び、その他軽くつまめる物が中心。切り売りピッツァやアランチーナ(揚げお握り)、キッシュなどなど。
右下:いつも日本風のサンドイッチリクエストされます
私は大抵日本風のサンドイッチをリクエストされるので、一口サイズの物を100個以上作ります。家主が火を起こしている間にグラス片手にお喋りしながらつまむ感じですね。
そして次はパスタ。気温が高いと予想された時にはライスサラダになったりしますが、基本は温かい出来立てのパスタが用意されています。その後がメインのBBQと言う流れになります。
パスタは予め作っておくことが可能なオーブン焼き、もしくはソースを作っておいて、茹でた手のパスタをあえるだけと、みなさん手慣れたものです。
前菜、パスタを食べ過ぎてしまうと、お肉が入らないので要注意。
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