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シチリアでは今が旬!地中海のトロマグロとおいしい料理法

2020年6月27日
桜田香織 (イタリア)

5月初旬から今月いっぱいが旬、その後はまず手に入らない

初めまして、シチリア島の州都、パレルモ在住の桜田香織です。

この度こちらへコラムを書かせていただく事になりました。シチリアからの楽しい話題をお届け出来ると良いのですが。

長い年月に渡り色々な種族の統治下にあり、その為様々な文化の融合しているシチリア島。北イタリアとは全く違う魅力があります。

一回目の今回は「マグロ」の話。

もっと一般的な事を書こうかと思いましたが、何せ今はマグロの旬。

そう、こちらでは年中食べられる魚ではありません。5月初旬からおそらく今月一杯、その後はまず手に入らないのです。たまにレストランで出会える事がありますが、マルタ島辺りからの輸入品となります。

シチリア島のマグロ漁は昔から盛んで、どのくらい昔かというと紀元前7世紀頃からと言われています。

しかしシチリア島西部のレヴァンツォという島にある洞窟内には、紀元前1万年という気の遠くなる程昔に描かれた「マグロ漁」の壁画が残っているのですよ。

もっと近い過去では紀元前4世紀に作られたギリシャの壺に、魚屋がマグロを売るシーンが描かれています。

 

シチリアでは赤身もトロも値段は同じ!色んな楽しみ方

歴史はともかく、食べる方に専念しましょう。

シチリアではマグロは尻尾の方から輪切りにして売ります。残念なことにきちんと血合いを取り除かないので、時間が経つと赤身に血が回り、色も赤黒くなり血生臭くなってしまうことがあります。

なので私はいつもトロの部位を購入します。驚くことにと言うか有難いことに、赤身もトロも値段は同じ。一般的に地元の人は赤身を好む為、大抵トロが手に入ります。

今年は5月の始めの走りの頃は1キロ20ユーロでしたが(それでも安い)、徐々に下がり13ユーロになりました。大トロをこの値段で買えるのですから、何という贅沢!

まぁこの時期だけ、しかもシーズンは短いので、許される贅沢だと思っていますが。

食べ方としては、まずシンプルにグリル。地物の人は赤身をウェルダンに焼くことを好みますが、私は勿論両面をさっと焼いて、レア気味に仕上げます。塩、オリーブオイル、レモンで食べるのも美味しいですが、私はわさび醤油で(笑)。

シチリアの郷土料理としては「マグロの甘酢風」があります。軽くソテーしたマグロに炒めた玉ねぎを加え、甘酢で味付けをした物です。

シチリア料理は西洋料理としては珍しく、料理にお砂糖を使うことが多々あるので、日本人にも馴染みやすいかと思います。

左上:マグロのトロのグリル、右下:シチリア風マグロの甘酢風(いずれも筆者作)

私は丼にして楽しむことも。カマの部分は買う人がいなく、私は頬肉をゲットしてパスタソースにすることもあります。これは友人達の間でも評判で、みんなにリクエストされる一品。

そろそろシーズンも終わりに近付いています、あと何回食べられるかしら?毎年のこの時期のささやかな贅沢を思いっきり楽しんでいます。

イタリア旅行が可能になったら、是非この時期にシチリアへいらしてくださいね。

Written by 桜田香織(イタリア)

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